私的 昭和テレビ大全集
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夕やけ番長 (1968)

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  「夕やけ、番長~!」
♪ ごつい相手も バンバンバンのバン
  固い拳骨 伊達じゃなぁい~
  河原の石まで砕けるぜー
  自慢じゃないけど腕自慢
  喧嘩の天才 夕やけ番長


『とびだせ!バッチリ』『冒険少年シャダー』と続いた、日本テレビ月~土曜
夕方6時35分からの10分間帯アニメ枠3作目となります。
今回も、主役自ら冒頭で題名を宣言するという形が踏襲されております。
この枠は以後、『男一匹ガキ大将』『男どアホウ甲子園』と続くのですが、
前二作がテレビ独自の漫画だったのに対し、この『夕やけ番長』から、
原作漫画が有るものをテレビ化する流れとなったのでした。
冒頭で題名を宣言する形は、最後まで踏襲され続けますけどね(笑)。

この枠のもう一つ特筆されるべき形式として、必ず再放送を続けたというのが有ります。
月~土10分間で1話完結、それを半年間で放送終了というのが基本で、
次にまた半年間、今度は再放送して使い回すという形でした。
そして、一年毎に新作が作られるようになっていたという事です。
でまあ、実質的に半年、26回で完結なんですよね。
ところが、この枠の原作付き後半三作は、そのどれもが、
当時としては記録的な長期連載で人気を博していた、大河的な作品ばかり。

単純に単行本数で言いますと、夕やけ番長が全16巻、男どアホウ甲子園が全28巻、
男一匹ガキ大将が全20巻という最終的な巻数でした。
この数字、いま見たらまったく凡庸な数字に見えるでしょうけど、
昭和40年代まで、少年漫画ってこんなに巻数を重ねるものでは無かったのですよ。
これらがそうした流れを開拓していった漫画そのものだったのです。
ちなみにワタクシは、この3つとも全巻揃えましたけどね(笑)。
男一匹だけは、新しく作られた文庫版で揃えましたが、他はきちんと新書で揃えました。

それは長じてからの事ですが、このテレビ漫画の当時は、原作の方はどれも知りません。
そういう人間が見たらね、原作をきっと誤解すると思うんですよね(笑)。
たかだか半年、26回では描ききれないような話を(特に「男」二作)、
作り慣れていない制作会社がテレビ化して、絵も話も、とてもではないけれど、
原作の雰囲気を蔑ろにするようなものだったとワタクシは思います。
何故、選りに選って期間が決まっている枠で、
選りに選って大河作品を選んでテレビ化していたのか(苦笑)。

でも単独のテレビ作品としてみたらどうだったか。
実は、他の二作はいざ知らず、この『夕やけ番長』は結構人気だったらしいです。
「番長」という題から判るように、これ、喧嘩漫画なんですよね。
昭和30年代には、明朗ゆかい漫画かSF漫画くらいしか存在を許されなかった
少年漫画の世界も、劇画の台頭に影響され、暴力描写が浸食していきます。
その端緒を開いたのが、ちばてつやの『ハリスの旋風』でした。

『ハリスの旋風』自体は、明朗ゆかい漫画の系統から外れてはいなかったのですが、
主人公の石田国松が、愛嬌は有るものの、粗野で野蛮、加えてスポーツ万能。
この型破りな設定の少年主人公は大いに受けまして、テレビの方も大人気。
そして、この愛すべき人物が開拓した喧嘩漫画という種類は、
梶原一騎による『夕やけ番長』によって、いよいよ本格的なものとなり、
更に本宮ひろ志が『男一匹ガキ大将』によって世界観を押し広げたという流れになります。
従いまして、この『夕やけ番長』は、本格的喧嘩漫画の祖とも言えるものです。

なにしろ、粗野という事では人後に落ちぬ梶原一騎が(笑)、
自らの経験を元に得た技術か何か知りませんが、様々な技巧が繰り広げられるのですね。
拳、蹴りは当然として、喧嘩と言えば付きものの砂かけまでやる(笑)。
赤城忠治の喧嘩の才能たるや正に天才的で、格闘技を習得している猛者をも、
独自の喧嘩殺法のみで次々と軍門に下していくんですね。
転校してきて睨まれた赤城の最初の敵は、番長連合の影の大番長。
番長連合とか影の大番長とか、この漫画が本格喧嘩漫画の祖というのがしみじみ解る(笑)。

影の大番長は、番長連合の人間以外は正体を知らない。
そして番長連合の人間は、怖れて決して正体を口外しない。
そんな中、忠治は紅小路という知的な佇まいの青年と知り合い、
自分に無い魅力を持つ彼に惹かれるのですが、実は彼こそが空手の達人、影の大番長でした。
この辺の流れは、後に同じ梶原一騎による『愛と誠』で、
スケ番連合の影の大番長がツルゲーネフを愛読する少女だったという形で再現されます。
忠治は、この影の大番長との一騎打ちに勝利するのですが、
コセコセの小瀬というのがそれでも忠治に反目して、次々赤城に難敵をけしかけるのでした。

テレビでは、そうした原作での敵が二人くらい出ていたようですが、
原作ではその後も小瀬による赤城潰しはしばらく続くんですね。
しかし最終的には、小瀬は誰よりも激しい赤城忠治信奉者となるのですが。
なぜ「夕やけ」番長なのかというと、この赤城忠治、夕やけが苦手で、
夕やけを見ると感傷的になってしまい、戦う気が無くなってしまう男。
いったん喧嘩が始まれば非常に残酷な所業も辞さず、
それをガハハと高笑いで実行するその男が、夕やけを見ると静まるのでした。

長期連載された原作の最後、赤城忠治の体は、都会の生活でズタボロとなっておりました。
颯爽と夕陽を背にして大暴れし、ふと振り向いた夕やけに涙した多感な男は、
足もろくに動かせないようになってしまうものの、
むしろ思想的な方向へと自身の活動の歩を進めようとして終わります。
これは連載末期、三島由紀夫の切腹という事件が有った事が影響しているんですね。
梶原漫画の主人公、そして漫画全体の空気は、最初は底抜けに明るいのに、
最後がいつもどんよりした形になって、なんだか突き抜けないというか、
燻った感覚を味わわされ続けておりましたねえ。いっそ最初から暗ければ違和感も無いのに。
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コメント
この記事へ寄せられたコメント
冒険王
この作品が連載されていた「冒険王」、結構いろんな作品が連載されていましたね。私は「魔神バンダー」と「ドタマジン太」が大好きな幼稚園生でした。もちろん夕やけ番長はテレビでも見ていました。後年、前田日明が長州力の事を「言うだけ番長や!」と揶揄した時、「うわっ!前田はこの作品知ってんだ!」と、違う意味でビックリしました。
2014/10/12(日) 18:19:19 | URL | ぱぱち
加藤みどり氏
彼女は恐らく知る限りだとこの役を筆頭にあのリフォームの某番組のナレーター以外で落ち着いた雰囲気での仕事というものを聴いた試しがない

もっとも彼女はある時期からアニメの仕事はサザエのみと決めておられ又最近の作風は当初のドタバタ路線とは九分九厘決別しているとさえ言えそれ故落ち着いているとも映るのだが
2014/10/13(月) 10:56:52 | URL | 熱血王 ガッツィンガー
● ぱぱちさん
ドタマジン太は長かった。冒険王の顔でしたがね。
板井れんたろうさんね。
ああそうか。言うだけ番長ってこの漫画からですよね、そう言えば(笑)。


● ガッツさん
だって、ヨッちゃんの声ですもの。
あまり「おしとやか」な役は来ないですよね(笑)。
2014/10/13(月) 12:12:12 | URL | ごいんきょ
夕やけ番長全巻!?
これはすごいですねー。
他にも多数所有しているのでしょうが、
この「三部作」を全巻揃えるごいんきょが、
個人的に最高にいいですねー。

夕やけ番長単行本、どこの出版でしたっけ?
当時の秋田書店の単行本は綴じが甘くて、
すぐページが取れてしまったのを思い出します。
2014/10/14(火) 10:58:45 | URL | naokiman
漫画は千冊を優に越えて持ってましたが、
金銭的に困窮したのと、場所が狭くなったので、あらかた売ってしまいました。
8LDKくらいの家に住めれば良かったのですが(笑)。
あと、オークションで売る事にハマっちゃいましたね、一時(笑)。
結構いい値段で売れたのも多かったので。


秋田書店のサンデーコミックスですね。
なんでチャンピオンの出版社なのにサンデーなんだと思ってましたね、昔は。
装丁が甘いのは、多分オイルショックの頃じゃないかな。
あの頃の者は建築物でもなんでも、脆いみたいです。
2014/10/15(水) 07:19:51 | URL | ごいんきょ
疑問
「夕やけ番長」、毎日10分アニメの中では、一番楽しく見てました。ただ主題歌で常に疑問がありました。「♪自慢じゃないけど、腕自慢♪」、これって自慢してるの、それともしてないの?
2014/10/18(土) 20:12:26 | URL | みのモンタナ
そうそう。それも書こうと思ってて忘れちゃったんですけどね。
梶原一騎先生は、この番組の作詞はしてないんだなあ。
雰囲気がわかっていたというか、作詞料ケチったのかな(苦笑)。
2014/10/19(日) 23:28:51 | URL | ごいんきょ
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