私的 昭和テレビ大全集
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お荷物小荷物 (1970)

該当番組画像募集


東京・下町の運送屋にお手伝いとしてやって来た田の中菊。
徹底的な男尊女卑思想の滝沢家の中で、最初は虐げられながらも、
亡き姉の復讐を果たそうとする菊と、最後は菊にメロメロになってしまう
滝沢家の男共を描いたドラマ… という筋は一応あるのですがね。
でも、このドラマが有名になった理由というのは、全て外連に有るでしょう。
昭和30年代に先陣が営々と築いてきたテレビドラマとしての象形を破壊したという。

例えば、主役の菊を演じた中山千夏が、突如ドラマ中で語り出す。
「大体、中山千夏というと小生意気な役者と思われてるでしょう。
 それがどうしてこんな酷い役をやらにゃならんのかと、だいぶ迷ったんですがね。
 しばらくは我慢してやってみる事にしました」
とまあ、あたかも役者である中山千夏が、その場で思った事をそのまま言っているかの作り。
勿論そんな訳は無くて、この台詞そのものも台本に有るはずなのですが、
こんな作りのドラマはそれまで無かったので、視聴者は皆ビックリしたのでした。

朝日放送プロデューサーの山内久司は、東京TBSから押しつけられる
ホームドラマ路線なんかやりたくなかった訳ですな。
関東者の言う通りなんか誰が作るかいてな感じなのか(笑)、
ホームドラマの形式は踏みながらも、その世界をぶち壊す作品を世に出してしまったのです。
昭和45年は、『ありがとう』『だいこんの花』というホームドラマの王様を生んだ一方で、
このホームドラマ様式破壊作も同時に生みだしたという、非常に面白い年です。
或る存在が最も力の有る時というのは、敵対する力も最も充実している時なのかもしれません。

この山内のアンチ・ホームドラマ路線は後に『必殺』へと繋がりますし、
関東TBSの久世光彦あたりに『ムー』『悪魔のようなあいつ』等の路線を逆輸出しました。
当初、評論家からの言葉は奇をてらいすぎのようなものも有りましたが、
視聴者は単純に新しい表現を楽しんだようで、視聴率も20%を超えたのですね。
あの志村喬がこうした世界に重みを加えているのですが、その志村ですらも
この妙ちきりんな語りをするのですから、どこまでドラマだかわからなくなる。
実際、最終回は最終回の中で別に最終回が流され出すのです。
知らない人は何を書いているか判らないでしょうが(笑)。

菊は空手の使い手という設定なので、大阪の空手部女子高校生をスタジオに招き、
中山が実地で指導してもらうという事が有ったようです。
それにしても、川口晶のやっていた『だいこんの花』『せっかちねぇや』も、
たしか空手の達人というお手伝いさんだったはず。
桜田淳子の『玉ねぎむいたら…』は剣道だったかな。
この頃のドラマには本当にお手伝いさんが大事な役で出ていたし、
コメディー色が強い作品では、武術の達人という場合が多かったような。

劇中で菊はこうも言いました。「女中で菊という名前だから除虫菊だなどと、
つまらない語呂合わせをして喜んでいるのは、プロデューサー、ディレクター、
脚本家たちで、みんな三十過ぎのおじさんばかり」
三十過ぎで「おじさん」だったのだから、テレビも若かった。
プロデューサーだのディレクターだのという言葉も、当時の視聴者の大半は、
知らないというか、まったく意識していなかった頃なんですね。
言わば内輪ネタを最初にやった番組でもあるかもしれません。
ちびまる子ちゃんが仮面ライダーの佐々木剛を見て、
『お荷物小荷物』も見てるよと言ってましたっけ(笑)。
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この記事へ寄せられたコメント
またマニアックなドラマ…
見てました!
今ならセクハラ,エロ男ばっかり出てきて,かなり下品なセリフもありましたが,
志村喬が出てくるとなんとなく納得してしまうあたり,配役の妙でしょう。
建物拝見の渡辺篤もこの頃はちゃんと役者やっていました。
楽屋裏を見せるハシリでしたかね。
車好きとしては,マツダクラフト(小型トラック)1台だけで
運送会社をやっているのは非常に嘘っぽいとも思いましたが,
リアリティを追ったドラマではないし,かなり笑わせてくれました。
2014/11/01(土) 00:28:18 | URL | 元朗
中山千夏さんの代表作だっぺm(_ _)m
この「お荷物小荷物」というのは、中山千夏さんの代表作ですな(^◇^;)続編に「お荷物小荷物カムイ篇」っちゅうのもあったとか。
2014/11/01(土) 10:38:27 | URL | マスダっち1971
反ホームドラマと言う名のホームドラマとの解釈も
この作品は「反ホームドラマ、脱ホームドラマと言う名の、実は紛う事無きホームドラマ」という解釈も成り立つ作風の作品ですね。

「反芸術」と称した若手芸術家の活動が、ややもすると骨董価値に陥りがちな芸術を活性化させたり、「ロックは死んだ(=反ロック)」と称して興ったパンクロックが、停滞しつつあったロック音楽を現代のストリート音楽として蘇らせたり(「反芸術」的アプローチでの活動であるポップアートの旗手・アンディ・ウォーホルが、パンクロックの祖の1つと言われるヴェルヴェット・アンダーグラウンドの仕掛け人となったのは実に象徴的)、はたまた「イギリスは死んだ」的なアプローチで007シリーズでお馴染のMI6にまで要注意リストに載せられたとも言われるセックス・ピストルズが、英国病克服(根本からの克服なのか、対処療法的な克服に過ぎないのかは今後の歴史が証明する事になりましょうけど)への端緒として機能したのと同様の意味合いで。
映画界に於ける同種の活動であるヌーヴェルバーグに通底し、自身も自他共に認める反天皇を始めとする徹底した反権力反権威の持ち主だった佐々木守氏が脚本に関わった事もそんな作風に仕上がった重要な要素でしょうけどね。

逆に言えば、それだけのパワーや説得力等がホームドラマに備わっていた事の裏返しとも言えますけど、それから間もなくホームドラマというジャンルそのものが極一部の製作者(石井ふく子女史とか)の専売という収束の方向に向かってしまった事で、この作品が目指した「脱ドラマ」が、幾多の「反芸術」活動や、フリージャズ、パンクロック、ヌーヴェルバーグ等の様に大きな社会現象や足跡となる事無く、単なる毛色の代わったドラマの1つという立場に甘んじる事となりますけどね。

・・・・・と私も書いている内に収集が付かなくなっていますが(笑)
2014/11/01(土) 12:20:16 | URL | TXの無いテレビなんて・・・
ありがとうございます!
 小学生だった当時、クラスの友達は大体みんな見ていて、取り残されておりました。休み時間に「チュータローが・・・」などと盛り上がっているのに、私の家では見ていませんでした。
 後続番組は『おもかじ とりかじ』という題だったと思いますが、私は取り残され続けました。
 ごいんきょさんの記事と皆さんのコメントのおかげで輪郭がわかり、とてもうれしいです。44年の時を経てやっとクラスの話題についていける気持ちです。
2014/11/02(日) 14:56:46 | URL | あぶもんもん
● 元朗さん
マニアックと言うほどでもなくて、20%以上の人気は有ったんですよね。
ただ例によって映像がほとんど残っていないので、記憶の再生産がされて来なかったという事なんです。
そうですね。最初の頃は、かなり人権無視というか(笑)、
大昔の女中さんはそんな扱いだったのかもしれませんが。
本当に楽屋裏というか、セットまで見せたりして、あの辺は久世さんが『ムー』に取り入れてますが。


● マスダっち1971さん
おそらくご本人も、これを超えるドラマに出る事は無いと思ったか、
カムイ編の後でテレビから事実上の撤退となるのです。


● TXさん
うーん、これがホームドラマかというとなあ、家庭を描こうとはしていないわけで。
光に対する影というか、補完勢力と考えた方がまだワタクシはハマりますが。
ま、肩肘張ってアンチホームドラマというのは、それだけホームドラマが幅を利かせていたからで、
脱ドラマとも言われたのはドラマが力を持っていた時代という事で、
諸々含めて(笑)、なんでも言われているうちが華って事ですよね。


● あぶさん
そうですかあ。ワタクシの周りでは誰も話題にしてなかったんですよねえ。
2014/11/04(火) 01:07:45 | URL | ごいんきょ
新参者ご挨拶 知っている事
拝啓 新参者にてご無礼致します。この「お荷物小荷物」忘れられないのは、とにかく今ではまずリピート出来ない程の危険な脱ドラマ?でしたね。思い出すのは「毛沢東馬鹿?」の様な親父で、何かと言えば「毛沢東いわく」が口癖。役者さんは戸浦六項さん?また菊さんのライバル?として福ちゃんと言うミニスカの女性「役者さんは、ちょっと顔は思い出すがうーん思い出せないっ」これに渡辺篤志がからんで恋のさやあての様なバトルがまた面白かったです。最初は菊さんの味方が後に福ちゃんに乗り換えたり、「やいてめぇおい菊っ」なんてぇ台詞や、そうそう役者さんは顔は知っているのですが名前は出ませんが「おいっ初夜の何は済んだのか?」とか何とか。ちょっと当時は中学生でしたからね。これは後編の「カムイ編」?では更に突き抜けて、何か「オキクルミピリカ」と言うアイヌの話が始まり、これは相当ヤバイんではないかと。そうそうだんだん思い出して来ましたが、一度「生放送で、ステージからコンサート形式で放送」されたことすらあったのですよ。この時生バンドで渡辺篤志が「聖者の行進」を全編キーの外れた調子で歌い爆笑でした。うんだんだん思い出して来ましたよ。とにかくまぁ危険でエッチでどうしようも無く脱ドラマだったのがお荷物小荷物でした。横浜の放送ライブラリーでのみ見られる様ですが、再放送は絶対無理でしょうね。合掌 敬具
2017/03/12(日) 21:38:14 | URL | よしたかくん
わざわざ生放送にするというのも、久世さんがムー一族などで踏襲しました。
あまり指摘されないし、本人もきっと否定するのではないかと思いますが、
関西の山内さんから受けた刺激はかなりのものだったと思います。

映像は一話だけしか残ってないとか、そんなものだと思います。
2017/03/16(木) 05:53:54 | URL | ごいんきょ
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