私的 昭和テレビ大全集
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冬の雲 (1971)

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「愛とは 春の日の花のように 美しく香り高きものであろうか
 愛とは 夏の日の太陽のように 誇り高く燦めくものであろうか
 愛とは 秋の日の落葉の下に泣く虫のように 切ないものであろうか
 愛とは 冬の日の その青空の……」
♪ 夕べのぉ夢~は 苦しき夢~~

芦田伸介による堅い語りから始まる、開始早々に重い番組でした。
だからか、木下恵介作品は映画時代からよく見ていたウチの親父も、
この枠は見ていなかったように記憶しております。
中卒肉体労働者には、些か荷が重い枠でした。
でも『冬の華』はなんとなく覚えているし、レコードジャケットに有る絵が
OPで使われていた事はなんとなく記憶しているので、
単にワタクシが見ていなかっただけなのかもしれません。
そりゃ、芦田による語りだけでも子供には垣根が有るのに、
それに続く主題歌の重さには、とても耐えられないもの。
曲名からして「苦しき夢」だし。子供を完璧に排除してましたね。

子供や低級庶民を排除するという事は、視聴率は最優先でないという事。
この番組の前段として、『冬の旅』という番組が前年に有りました。
火曜夜9時からの30分で、『記念樹』『もがり笛』など、
ややテレビ化には不向きとも思える重厚な作品に商業性を獲得した、
『木下恵介アワー』という成功を経て、木下恵介の名が持つ説得力は、
テレビ界でも非常に充分な大きさとなっておりました。
芦田伸介による詩の朗読も、同じTBSの朝ワイド『モーニングジャンボ』内の
「愛のドキュメント」でも冒頭で使われるなど、一般に受け入れられたものに。

TBSは、木曜の10時からも木下恵介枠を設置。
しかも時代の趨勢から、ここは堂々たる一時間枠としたのです。
通常であれば、最初の作品は何が何でも成功させようと、
かなり娯楽性の高い作品を持って来たくなるもの。
しかし、木下恵介は自信を深めていたのでしょう、
第一弾から、物議を醸し出す少年の非行を扱った重厚な作品、
『冬の旅』を持ってきて、大人気とまでは行かないものの、
結構な話題を呼び、その主題性からしたら合格と言える2桁視聴率を弾きました。
この枠を題して曰く、『人間の歌シリーズ』。
木下恵介の崇高な理念を、直截にぶつけた枠名となっておりました。

こんな難解なドラマに重々しい筋運び。
今なら提供会社も難儀しそうですが、この頃の木下恵介神話は凄いもので、
このような番組枠に、四社提供募集で十社も名乗りを挙げたというのです。
残った四社というのは、キリンビール、シャープ、東洋工業、花王石鹸ですかね。
往時はまだ、視聴率だけでなく、企業心象全体を考えている所も少なくなかった。
その『人間の歌』第四弾という番組で、敢えて言えば「冬シリーズ第二弾」です。
『冬の旅』、そして『冬の雲』と話題を呼んだ事で、以後のこの枠では、
季節を名乗った題名が増えました。『冬の華』『春の嵐』『それぞれの秋』等々。
『冬の旅』と『冬の雲』では、二谷英明と田村正和が共に印象的な役を演じ、
特に田村は、ここから人気テレビ俳優の道が開けていくのです。

この番組というと、どうしても出てくる話が、「ポーレシュカ・ポーレ」ですね。
劇中で田村正和かな、ステレオでレコードを掛けると流れてきた歌。
ソ連の赤軍合唱団が歌っていたものですが、それに和訳詞を付けて、
田村の弟役だった?仲雅美がレコード化したら、まさかの大当たり。
仲は様々な歌番組にも出演して、この歌を歌いました。
御本家の赤軍版もかなり売れたと思われます。
また、近藤正臣も大事な役で出ていて、田村正和・近藤正臣の揃い踏みとか、
けっこう注目されたドラマだと思うのですが、どうしても第一弾の
『冬の旅』の方で語られる事が多く、意外とこの番組は語られずに来ております。
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この記事へ寄せられたコメント
忘れられないドラマ
「冬の旅」から観ていました。
ドラマの中でもシューベルトの「冬の旅」から数曲使われていて、音楽と映像が重なって思い出されます。

「冬の雲」のオープニング、芦田伸介さんの語りのBGMはブラームスの「眠りの精」だったと思います。
渋い語りをよく真似しました(笑)。

「冬の旅」では悪い役だった田村正和さんがこのドラマでは本当に優しいお兄さん役。足の悪い妹役が大谷直子さん。とても可愛かったです。こちらも「冬の旅」にも出演されていました。そういえば、両親の二谷英明さんも久我美子さんもそうですね。
私の父は久我美子さんを観る度に、華族さまは流石に上品だねぇと言っていました。

大原麗子さんを初めて観たのはこのドラマだと思います。田村正和さんの恋人役でした。別れのシーン、和室の電話で田村さんが「僕たちもう会わないほうがいい・・」みたいな雰囲気のことを言っていたような。あの声であの話し方で。大人の事情がまだよく分からなかったけれど、切なさが伝わってきました。

近藤正臣さんを知ったのもこのドラマだったような気がします。
それから、市原悦子さん。二谷英明さんの前妻で、いろいろ悪さを企んだような。マンションに住んでいて(確か)、マンションのお母さんと呼ばれていたと思います。「マンション」という言葉は特別の響がしました。

話が複雑なので、毎週しっかり観ていたのですが、久我美子さんの過去が暴かれそうになり、いよいよ最終回というその日。学校から帰ると母が「テレビが壊れた」と言うではありませんか!どこをどう叩いてもテレビが映らなくなっていたのです。
そのショックは今でも忘れられません。
最終回は観られなかったのですが、観たような気になっているのは、前の週の次週予告を観て、家族で結末をああだこうだと話し合っていたからかも知れません。
2014/11/09(日) 14:49:55 | URL | モデラート
『冬の旅』も勿論、いつか扱います。
十年以内にはね(笑)。

流石、そう、「眠りの精」の管楽器版のようですね。

田村さんは前作では、なんと義母を犯そうとした役で(苦笑)。
この番組の後では考えられない使われ方をされてました。
誇り高き華族の久我美子さんにも、まさかの役を割り振りましたよね(笑)。

大原麗子さんと田村正和さんは、この後も恋人役とかの共演が多くて。
竹脇無我・栗原小巻、石坂浩二・浅丘ルリ子のようなテレビ史に残る組合せでした。

最終回だけを見られないとは、悶絶地獄ですね(笑)。
CSではそのうち放送するとは思うのですが…
2014/11/09(日) 21:26:10 | URL | ごいんきょ
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