私的 昭和テレビ大全集
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豆腐屋の四季 (1969)

レコード版ライト巻之伍発売を記念しまして、
巻之伍で音盤をご紹介したドラマを数本扱ってみたいと思います。
今回は、朝日放送制作職業ドラマの、この番組です。


『月火水木金金金』の後番組である、朝日放送制作TBS放送
木曜21時半からの45分ドラマでした。
時間が半端ですが、おそらくスポンサーとの折り合いの問題でしょう。
昔のテレビは30分番組が基本でしたから、1時間枠を作るのに結構苦労してます。
長年そこを支えてきたスポンサーにどいてもらうのが大変なんですね。
本来であれば、20時からのお化け番組『肝っ玉かあさん』と
二階建てにした方が相乗効果も有ったろうし、局側も本音はそうしたかったでしょうが。

しかし、同じ木曜のほぼ二階建ての時間に、関東・TBS制作ホームドラマの本流、
『肝っ玉かあさん』と、関西・朝日放送制作の異端児・山内久司制作ドラマが並んでいた。
これぞ歴史の奇跡とでも言うべき配剤で、「ドラマのTBS」の懐を広げました。
尤も関東側からのホームドラマ圧力は結構なものが有ったようですが、
山内はそれには飽き足らず、新種のホームドラマを模索。
女性が金にあくせくするという、当時としては有り得ない視点で描いたものが、
亡き父の遺産が入った四姉妹と、父の元愛人らの金を巡る話、『月火水木金金金』でした。
最後の金金金は、「カネカネカネ」に掛かっているのです。

およそ関東の無毒『肝っ玉かあさん』とは相反する描き方。
しかし、関東側の圧力に抗した山内の信念は非常に正しく、
土台の違う作り手が作る以上、違う物が出て来ないと意味が無いでしょう。
そして彼は、その路線を更に進め、『お荷物小荷物』でドラマ制作の枠をぶち壊し、
更に『必殺仕掛人』で殺人者を主役にするというTVドラマ制作の大転換を為しました。
中央から安穏としたホームドラマを押しつけられ辟易した感情が、爆発したわけです。
一方の中央、TBSの石井ふく子は、殺人劇が持て囃される時勢になっても、
殺しや不倫をドラマには入れず、一家揃って見られるものを造り続けました。
こうした二律背反な二人が両輪だったのですから、TBS系は強かったのです。

さて、『月火水木金金金』では主な舞台に花屋が描かれており、
後番組でも家業が描かれる事になりました。
原作は、大分県中津市で豆腐製造業を営んでいた松下竜一が、
昭和42年秋からの一年間の生活を短歌と手記で綴った『豆腐屋の四季』。
俳優・緒形拳がそれを読んでいたく感激し、
テレビ局より先に松下にドラマ化の許可を取ったという話が有ります。
そんな二人は、終生の繋がりとなったようです。

ですから主役は勿論、緒形拳。
妻役が川口晶で、これが初の妻役だったようです。
妻の母が淡島千景。
朝日新聞によれば、実際の松下は妻の母への憧憬が有ったとの事です。
http://www.asahi.com/travel/traveler/TKY200709220078.html
そんな朝日新聞こそが、松下竜一の活躍の場でした。
彼は進学の志を貧しさに砕かれ、しがない豆腐作りに埋没するやり場の無い怒りを、
朝日歌壇に投稿する事で発散して、数多くの入選を果たしていたのでした。

そうした歌の数々が収録された本が「豆腐屋の四季」で、
朝日繋がりで朝日放送が目を付けたのでしょう。
初めての歌が「泥のごとできそこないし豆腐投げ怒れる夜のまだ明けざらん」。
深夜二時三時に慣れぬ豆腐作りと格闘する鬼気迫る若者。
こういう演技をやらせたら、緒形拳は迫真であったろうと思います。
ただ、当時既に町の豆腐屋さんは機械で作っていたため、
テレビ局に搬入するドラマ用の出来損ないの豆腐を作るのが却って大変だったとか。
こうした場面が多かったため、スタッフは後の掃除が大変だったという話も。

主題歌は木下忠司作曲、チャーリーとスヌーピーという謎の二人が歌う
「生きて愛して」でしたが、これが9月5日にテイチクから発売されるのに伴い、
なんと1000名もの視聴者にプレゼントされました。
そんなにタダで配ったら売れなくなると心配にならなかったんですかね、
昔のレコード会社の営業さんは。
更に10月末には、原作本を緒形拳と川口晶のサイン入りで250名にプレゼント。

どこからこんな予算が?と不思議な感じですが、昭和時代には珍しくない形でした。
番組最後の提供読みの直前あたりで、局アナが告知するのね。
「この番組のレコード(原作本)を◯◯名にプレゼントします。
 住所氏名年齢電話番号をご記入の上、郵便番号○○、
 東京都どこそこ何テレビ、なんとかかんとかの係まで奮ってご応募下さい」
なんて感じでやってましたね。特に日本テレビが多かった。
あれって出版側の動きなのか局の動きなのか、まあ出版側でしょうが、
ゾッキ扱いにするより健全に広報した方がって感じだったのでしょうか。

この番組の後番組は『金太郎の孫』で、そちらは布団屋が舞台。
関口宏と佐野周二の親子共演が話題となったものですが、
それはまた、そちらをやります時に。
この枠の提供は、味の素ほか一社という感じだったみたいです。
『月火水木金金金』は山内久司自身もよく語るドラマですが、
これは、ウィキペディアに拠れば初期だけだったようで、
やはり普通のホームドラマなんかやる気が無かったのでしょう(笑)。
当然、後番組の『金太郎の孫』の方も山内作品ではないようです。
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コメント
この記事へ寄せられたコメント
月火水木金金金
 肝腎の『豆腐屋の四季』の方は記憶にないんですが、『月火水木金金金』は時々見ていたようです。母がモトウタを教えてくれたのを覚えています。
 ごいんきょさんが書かれているように、番組の中でたしか千夏っちゃんが溜息をつきながら
「あ〜あ、まったく月火水木カネカネカネなんだよね〜」(「なんだよね〜」の部分、記憶が不正確です)と言っていたのを聞いて、そうかそういう題だったのかと子供心に感心しました。番宣もあって、そちらではキンキンキンとしか読んでいなかったような気がします。

 まったく雲をつかむような話ですが、たしか千夏っちゃんが料理の本を見て『鯵のムニエル ラビゴットソース』に挑戦しようとするエピソードは『月火水木金金金』ではなかったかと思います。別のドラマだったかも知れませんが、演じていたのはたしか千夏っちゃんだったかと。
2016/04/02(土) 15:20:19 | URL | あぶもんもん
番組中でもカネカネカネと発声していたのですね。
正式題の発音はどちらなんだろう。

料理の話は、お手伝いさん役だった『お荷物小荷物』の可能性も有りそう。
2016/04/11(月) 07:09:11 | URL | ごいんきょ
正式題はキンキンキンだったかと
 番組の中で「カネカネカネ」と言ったのを聞いて、「そうかそういう裏の意味があったのか」と感心しましたが、「カネカネカネ」を聞いたのはその時だけで、番宣ではキンキンキンとしか読んでいなかったと思います。
 なるほど、お荷物小荷物の可能性もありますね! 「お荷物小荷物」を私は筋を追って見ていませんでしたが、たまたま見た回で料理のことをやっていたのかもしれません。
2016/04/11(月) 13:21:10 | URL | あぶもんもん
番宣までご記憶とは。
しかし貴重な情報でした。
2016/04/12(火) 22:34:49 | URL | ごいんきょ
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