私的 昭和テレビ大全集
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ダンディ2 華麗な冒険 (1974)

今回はあぶもんもんさんの依頼による、コメント転載でのスレ建です。
改行は手直しさせて戴いてます。



 『ダンディ2 華麗な冒険』(原題 The Persuaders!)がイギリスで制作されたのは昭和46年ですが、
日本では丸3年遅れて昭和49年10月から翌50年3月まで、土曜の夜にテレビ朝日で放送されました。
調べてみたら、この半年間は『となりのとなり』『傷だらけの天使』
そして『6羽のかもめ』が土曜夜にかたまっていたようです。
『傷だらけ』の後番組がウイークエンダーだったんですね。
ちなみに私は『傷だらけの天使』を見たことがなかったのですが、理由は母が『6羽のかもめ』を見ていたからでした。

 ウィキによると『ダンディ2』の放映枠は23時台となっていますが、22時半だったような気がします。
テレビ朝日では22時半まで土曜映画劇場、そのすぐ後だったと思うのですが、当時の新聞を見ればわかることですね。
22時半からだったとすると、『6羽のかもめ』と30分重なっているので変ですが、
母もトニー・カーチスや広川太一郎が好きだったので仕方なくチャンネル権を譲ってくれたのかもしれません。
『6羽のかもめ』のエンディングは記憶にあるので、CMに乗じてチャンネルを回しながら両方見ていた可能性もあります。

 私が本放送で『ダンディ2』を見たのは第2回からでした。
オリジナルでは第11話に当たる『俺の命はクサリつき』という話です。
『6羽のかもめ』の後でチャンネルを替えたら、いきなりサスペンスの幕開けでした。
遭難した小型機からパラシュートで脱出した男が木に引っかかり半死半生。
森でキャンプしていたトニー・カーチスが助けようとすると、男は死に際に、
持っていたアタッシュケースをトニー・カーチスの手首に手錠で繫いでしまいます。
引き込まれて最後まで見てしまい、翌週から欠かさず見ました。

 そして翌週、初めて見たオープニングをかっこいいと思いました。
主演はトニー・カーチス(広川太一郎)とロジャー・ムーア(佐々木功)なんですが、
毎回オープニングで役柄を説明します。オリジナル版は映像のみです。

(広川) 喧嘩には強いが、女には弱い。 (二人) プレーボーイのダンディ・トゥ。
(広川) 俺、ニューヨークはスラム出の実業家、ダニー・ワイルド。
(佐々木)わたくし、イングランドは名門貴族出のブレット・シンクレア。
(広川) 趣味も育ちも違うけど、冒険好きは二人とも。もォてるんだなぁあくどくー。
(佐々木)ヤンキーの旦那、沈没したもうな。
(広川) 殿様こそ、しっかりおしよー。
(二人) 二人揃ってダンディ・トゥ。
(広川) あーらたった、やってるヮあちらァ。
(佐々木)なあにほんの小手調べ。苦しゅうない。
(広川) さてさて、いかなる華麗な冒険に挑もうか。

 映像は、二冊のファイル(二人のデータが書かれているらしい)の表紙に始まって、
二人の生い立ちから近況までが、画面を半分に仕切ったり繫げたりしながら映されます
(主に番組本篇に出てくる場面の継ぎはぎです)。
バックに流れる音楽が洒落ていて、アメリカの派手なドラマ主題曲とひと味違って気品があるような感じがしました。

 後にTVKで放映した時に第一回を初めて見て、やっと全体像がわかりました。
退官した判事が、法の網の目を潜っている犯罪を暴くため、
アメリカ人の実業家ワイルドと英国貴族のシンクレア卿という、二人の有閑階級のタフガイに協力を依頼します。
最初はにべもなく断る二人ですが、事件に巻き込まれて結局は判事のために働くことになる、という筋立てです。

 原題の The Persuaders! の意味はずっとわからなかったんですが、『腕づくでウンと言わせる奴ら』ということでしょうか。
 主人公二人が出会う経緯は第一話でわかりますが、ドラマとしては一話完結でもあり、
判事からの依頼でなく二人がたまたま事件に巻き込まれることもあるので、
第一話を見逃しても不都合はありませんでした。

各話のストーリーも時々いい加減で、「途中のあの展開や伏線は一体何だったの?」と思うような話もありました。
見どころはストーリーではなく、いかにもイギリス貴族とヤンキーらしいそれぞれの個性、
二人の軽妙なやりとりや、イギリスの貴族趣味、それにイタリアやスペイン、南仏などの観光地ロケでした。
観光地での撮影、また二人がスポーツカー(フェラーリとアストンマーティン)を乗り回すなど、
その辺にかなり金をかけていたようです。
音楽も、オープニングで使われる曲の他に、南仏で必ずかかるBGMや、
いくつかの回ではその回だけのテーマ音楽を流すなど、けっこう凝っていました。

 ロジャー・ムーアは007で有名になりましたが、当時まだ日本ではあまり知られていなかったと思います。
昭和40年に日本で放映された『セイント 天国野郎』で主演しており、それを覚えていた同級生がいたのには驚きましたが。
ムーアがジェームズ・ボンド役になったのは『ダンディ2』出演の後らしいですが、
日本で『ダンディ2』を放映したのは『死ぬのは奴らだ』の後、ちょうどお正月映画で『黄金銃を持つ男』をやっていた頃です。
それで、吹き替えの台詞でも、お金(ポンド)の話が出た時に「わたしゃジェームス・ポンド」だの、
ピストルを渡されて「黄金銃ならぬただの銃を持つ男」などと佐々木功が言っています。
 対するトニー・カーチスは『お熱いのがお好き』『グレートレース』などのコメディやギャング映画、
『魔術の恋』などで日本でも有名だったと思います。
『ダンディ2』の吹き替えでも挌闘シーンで脅し文句を言われて「きいた風なこと言いやがって。
そんな台詞どこで覚えた?」「トニー・カーチスのギャング映画だ」「なんかドキッとするようなこと言うなよ」などと言ってます。

 前置きが長くなりましたが、日本版『ダンディ2 華麗な冒険』の最大の魅力は、広川節の吹き替えでした。
挨拶が「ワイワイ」。挌闘シーンに入る時のかけ声が「熱血〜」。
この辺は台本にあった可能性もありますが、大部分はアドリブだったようです。
「下町の匂いおこせよレバニラ炒め」「虎視タンタン狸の人は多い」「梨みたい。二十世紀だなんて」
「知ってたくせにシリアスな顔」「お腹の中に牛二頭。もうギュウギュウ」
それから「束になってかかって来い」と言われて「二人の時はペアって言うんだったっぺや」、
犯人を檻に閉じ込めながら「折にふれて檻に慣れといた方がいいんだよ」、
「この事件の背景は」と長い説明が始まりそうなので「ハイケイでも前略でもいいけど早々に頼むよ」などなどなど。
私も私の両親も、今でも「ありがたいやら屋台のおでん」を使っています。

当時、新聞のテレビ欄の番組紹介記事にも、広川太一郎がポンポン繰り出すアドリブに触発されて
佐々木功も洒落を飛ばすと書いてありました。
貴族なのでさりげなく「ミイラに魅入られたか」程度ですが。
佐々木功といえば、『ダンディ2』の放映時期は『宇宙戦艦ヤマト』とも重なっています。
土曜夜の『ダンディ2』の翌日に「ささきいさお」としてヤマトの主題歌を歌っていたことになります。

 当時、ラジカセを持っている子供などまだ少なかったと思います。
クラスに一人、持っている奴がいて、傷だらけの天使の「あ〜にき〜」とか
『ダンディ2』などを録音してきて学校で聞かせてくれたので、
私は初回放映のときから広川節を頭に叩き込む幸運に恵まれました。
のちにTVKで放送したとき、家にラジカセはあったがビデオデッキはまだ無かったので、
テレビを見ながら録音して、台詞を全部書き出した覚えがあります。

 ところがTVKで放映したときは、テレビ朝日版とは違うオリジナルの放映順でした。
第一話を見られて嬉しかったのも束の間、次週の予告が『俺の命はクサリつき』でなかったため、
飛び飛びにやるのかとガッカリしたものです。結局、全話見られてホッとしましたが。
 実はオリジナル版は金をかけたのにアメリカで受けなかったため打ち切りになり、
おかげでロジャー・ムーアが007に出られたとか。
ヤンキーの旦那ワイルドが何かと揶揄されて「植民地の人間ですから」などと言われるので、
アメリカで受けないのは当たり前ですが。

オリジナルの最終回は、いかにも尻切れトンボです。
しかしテレビ朝日でやった初回放映版は順序をうまく変えており、最終回がそれなりに最終回らしく終わっていました。
 日本版の最終回では、その回でずっと行動を共にしていた女が野原に主人公二人を置き去りにして車で走り去る。
捨て台詞「ユーモアを解せないんでげすか〜」は中盤でワイルドに言われた台詞をそのまま返したもので、
根に持ってたわけです。で、主人公二人がシリーズ中初めて、ズームアウトするカメラに向かって話しかけます。
うろ覚えですが「ダンディ2、噂通りにモテやせぬ」、いつかまた会おうみたいなことを言って終わりました。

 アメリカでは受けなかったもののヨーロッパではヒットしました。
特にドイツではやはり原作を離れた軽妙な吹き替えが受けて、
それを元に訳したフランス語版もフランス語圏で受け、ともにカルト番組となりました。
もしかしたらオリジナルの台詞に、吹き替えで遊びたくなる何かが隠れているのかもしれません。
とはいえ広川節の自由奔放さは遥かに上を行ってる感じがします。
なにしろトニー・カーチスの口が動いていない場面でも心の声を話していたり、
トニー・カーチスが画面にいない場面でも主観描写でしゃべっていたり、それがまた絶妙に合っています。

 オリジナル版は24話ありましたが、初回は一話だけ放映されませんでした。
(TVKで全話流したかどうかは覚えていません。)
それなのに『傷だらけの天使』『6羽のかもめ』26話とどうして時期が完全に重なっていたかというと、
23話のうち3話を前後篇に分けて放送したからで、なぜそうなったかといえば、
11月と1月と3月に大相撲ダイジェストのため時間が短くなったからです。
 好きな回はいくつかありますが、シンクレア卿の伯父の公爵が狙われる『殺しの図式』
(犯人を演じたのは後にインディ・ジョーンズでおなじみの人)、シンクレア邸の、
忍者屋敷みたいな抜け穴(昔からあるパブの長持の中に出る)の出てくる『鉱山掠奪! 代役に死のプレゼント』、
トニー・カーチス得意のフェンシグが見られる『亡命貴族の黒い系譜』、
石油ショック時代を反映した、夢の代替エネルギーをめぐる『謎の化学式を殺しで解け!』などです。

 スポンサーはセイコーの一社提供でした。
♪ セ〜イコーでスタート 夢、いきいきセイコー・・・
 ミュージカル風というか紅白歌合戦みたいにバックコーラスを従えて
由美かおるや白タキシードの佐良直美が歌っていたCMを覚えています。
あるいは風景だけの映像に男のナレーションで「散るために花は咲き、融けるために雪は降り積む・・・
そして、変わることなく時を刻み続けるもの」なんて、ワイルドに「気取りっぺコンニャクが」と言われてしまいそうなCMも。
あれらは電通の制作だったんでしょうね。
 かくして土曜の夜は『新八犬伝』、コロンボ(昭和50年からは『警部マクロード』)、
『6羽のかもめ』、そして『ダンディ2』で更けてゆきました。

2016/05/29(日) 23:19:27  あぶもんもん さんコメントより
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コメント
この記事へ寄せられたコメント
ダンディ2ってなんの事かなと思っていたら、そのままダンディが2人って事なんですね。
二人組捜査ものって日米とも多いですが、その中ではかなり異色な感じです。
バークにまかせろのコンビ版みたいですね。

例によってアメリカの資料本を読んでみたのですが、
ヨーロッパのあちこちでロケしたみたいで、かなりお金かかってるんですね。
ダニーは星空の下ブランケット一枚で過ごすが、
ブレットはバーや氷の有るデラックステントで寝泊まりなんて有ります。

セイコーホームシアター”S”でやっていたなんて有りますが、
なんか特別なオープニングは有ったんでしょうか。
佐良さんらが出ていたという豪華なCMがそうなのかな?

ところで、こんなページが有るのですが…
http://park8.wakwak.com/~maomao/tv/tv_dandy/dandy2.html
あぶさんの奥さんがやっているわけではないですよね?(笑)
2016/06/04(土) 06:15:04 | URL | ごいんきょ
ありがとうございます!
 ごいんきょさん、スレ建てしていただいて本当にありがとうございます。私はただひたすら広川節が聞きたくて見ていただけなので、その他にこの番組のこと、CMのことなど、覚えてらっしゃる方の話が聞けたらとてもうれしいです。
 そのページは妻がやってるワケではありません(笑)。だいぶ以前、メールを差し上げたこともありましたが、その後ご連絡していませんでした。
 バークにまかせろは見たことがないのでわかりません。すみません。YouTubeでチラッと画面を眺めるとシリアスタッチみたいですね。ダンディ2は金持ちの上に素人探偵で、半分以上おふざけという感じでした。トニー・カーチスの顔は、ニヤついてる顔ばかり思い出します。
 セイコーのオープニングは無く、いきなり番組が始まったと思います。豪華なCM(たぶん1分もの)は、途中で入るCMでした。
 ごいんきょさんの書かれた、ブレットがデラックステントで寝る話というのが、『俺の命はクサリつき』でダニーが手錠をかけられる直前の部分でした。再放送で初めて最初から見られて感激しました。西部劇スタイルのダニーにぶつくさ言われながら、ブレットは朝から銀のティーポットで紅茶を入れたりします。そういう漫画チックな貴族趣味が見てる心をくすぐってくれました。
2016/06/04(土) 15:14:26 | URL | あぶもんもん
セイコーでスタート 「色」いきいきセイコー でした
 セイコーのコマソンが気になってちょっと調べたところ、昭和48年に小林亜星作詞作曲の『色いきいきセイコー』(唄・笠井紀美子とデュークエイセス)という歌が出ていました。実は私も『色・・・』と記憶していたのですが、化粧品のCMじゃないから変だと思い、上の記事では勝手に『夢・・・』に変えてしまいました。「セイコーでスタート」というフレーズは四月に使われたようですが、私の記憶では10月〜3月のこの番組でも流していたと思います。もしかしたら1月だったかもしれません。
 半年の間には幾つかパターンがあったはずですが、記事に書いた『色いきいき』ミュージカル(由美かおると佐良直美の2バージョン)、すかしたナレーションのCMの他に覚えていません。
2016/06/08(水) 00:12:14 | URL | あぶもんもん
月曜日は時計を確認しましょう
相良直美さんが歌うCMを動画サイトで見ました。最後にリビング風セットで相良さんが「月曜の朝は時計を確認しましょう。」と呼びかけます。手巻きや自動巻きが主流の時代ならではの泣かせるひとことです。機械式時計派の私も、未だに月曜の朝は確認してます。
2016/06/08(水) 15:34:25 | URL | とらお
腕時計も昭和の思い出ですね
 とらおさん、コメントありがとうございます。
 私も早速見てみました。白タキシード姿が決まる人ですね。
 このCMは屋外で撮ってるんですね。ダンディ2のとき見たのはスタジオ録りだったように思いましたが、紅白歌合戦風なのは由美かおるバージョンだけだったかも知れません。
 みんなスマホを持つようになって、腕時計も「昭和は遠くなりにけり」という感じですね。私は今でも腕時計を使っていますが、手首を降る自動巻のクセはさすがになくなりました。
 女性は手首の内側に文字盤、なんて知らない若い人も多いのではないでしょうか。そういえばジェームス・ボンドの秘密兵器もSEIKOでした。

【ごいんきょさん、スレ主になるというのは『泣いた赤鬼』の青鬼みたいな心境ですね。】
2016/06/09(木) 13:17:28 | URL | あぶもんもん
● あぶさん
うーん。
こんな知られていない番組のセリフをわざわざ書いて覚える人が
日本に二人以上いるのかな? まあ、いいや(笑)。

セイコーのCMソングは数年間続けて音盤配布されていますが、
この枠で流れていたものだったのですね。

スレ主だからといって、あまり大仰に考える必要は無いですよ。
ワタクシというブログ主が上位に居ますので(笑)。


● とらおさん
自動巻って懐かしいな(笑)、
自動巻の時計なので嬉しくて、やたら腕を振っていた中学時代(笑)。
2016/07/04(月) 01:33:09 | URL | ごいんきょ
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