私的 昭和テレビ大全集
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どろろ (1969)

カルピスまんが劇場どろろどろろと百鬼丸



カムイ外伝の項でも書きましたが、カムイ外伝とこのどろろには、
奇妙な符合があるなーとワタクシは思ってました。
そもそも、放送開始年月日と放送終了年月日が同じです。
カムイは1969年4月6日の夕方6時半にフジテレビでスタート。
同年9月28日に終了していますが、このどろろも同じ日の夜
7時半からスタート、同じ日に終了しています。

方や『劇画』を普及させた大家の原作、こなた『漫画』の大家の原作。
作家同士もいい意味でのライバル関係にありました。
そして、カムイの方は非人として蔑まれる身分、このどろろの主人公・
百鬼丸は生まれつき身体の48ヶ所を魔物に取られ、
カタワとののしられる境遇と、どちらも重いテーマを背負っています。
ハッキリ言って、現在ではどちらもテレビシリーズ化は難しいでしょう。
70年安保闘争のあの時代の空気が、この二作品を後押ししましたね。

パイロット版はカラーで作られていますが、本作はモノクロです。
既に万国博を目前に控え、テレビ番組は概ねカラーになっていましたが、
やはり飛び散る血の描写などを考えてモノクロにしたんでしょう。
カムイの方は、若者対象だったからカラーで押したんでしょうね。
つくづく考えるに、なぜ、水玉の味カルピスが、このような
おどろおどろしくも血なまぐさい番組を提供したのか、
まことにもって理解しがたいものがあります(苦笑)。

が、それはともかく、この作品は傑作でした。
重いテーマを背負った作品というのはそれだけ制作側も真剣になるのか、
このどろろは、日本アニメ史上最高傑作とも言える出来映えを見せました。
特に、肉親との戦いを描いた『ばんもん』と最終回は、
前々からマニヤ間で高く評価されていた作品です。

しかし、そういう重い内容を、子供が無邪気に楽しむはずはなく(笑)、
番組は低迷、早くも2クール目から路線変更がなされます。
タイトルも、ちょっと見わけのわからぬ『どろろ』から、
実質的主役の名を入れた『どろろと百鬼丸』に改題。
2回から3回に分けていたドラマ性の高い内容も、
一話完結のわかり易い妖怪退治譚になりました。

それも功を奏さず、結局この2クールで番組は終了となります。
モノクロ作品である事と、現在では放送禁止用語になっている言葉が
頻発される事などから幻の作品扱いされていましたが、
近年、WOWOWやCSで放送されたり、ソフト化もされました。
時代の徒花となった感もあるカムイの後番組は『サザエさん』、
同様に、このどろろの後番組は『ムーミン』と、
どちらもほのぼのした味わいで恒久的に国民に愛される作品なのは、
なんとも皮肉な符合ではあります。



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[猫カフェ]futaha



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コメント
この記事へ寄せられたコメント
ここにもラップ
 私はこのアニメをあまり見ていなかったので主題歌も知りませんでしたが、後に CD で聞いた時、どろろの、侍どもを憎む心が伝わってきて感動しました。
「天下めざして突き進む」「これも世のため人のため」だと? 笑わせるなサムライども、「とぼけちゃいけねえ知ってるぜィ お前らみ~んなホゲタラだ」
 妻は原作もアニメも知らなかったので、主題歌を聞いて「何これ・・・」と言っていましたが、どろろの内容を知らない人にはフザケてるとしか思えない歌詞ですね。そう思ってもらえれば成功、というような敷居の高い歌です。何かを批判するための落書きみたいな。
 子供の目から見た痛烈な体制批判、一人では何も出来ないくせに数と武器を頼みに威張り散らし、弱いもの苛めをするサムライどもへの憎悪、これは思想の点からも曲の形式からもラップと言っていいような気がするんですが、いかがでしょう。
 白土三平の「カムイ」や「忍者武芸帳」などで描かれる搾取階級への絶望的な抵抗、それと共通するものを持っているのは、カタワの百鬼丸よりむしろ、サムライに苛め抜かれたどろろではないでしょうか。私は原作を毎週楽しみに読んでいました(途中で連載されなくなり、アレッと思ったものです。たしかどろろの背中に白粉彫りの地図が浮かび上がったところでチョン・・・ちがったかな)が、百鬼丸が主人公だと思ったことはありませんでした。いま考えると、百鬼丸を主人公にした方が客をつかめるというのは理解できます。でもやっぱり私の記憶の中では百鬼丸は影が薄いです。
「どろろ百鬼」という極端に省略したタイトルが記憶にあるんですが、どこで使われたのか全然思い出せません。
「ばんもん」が板門店のことかな?と気づいたのは、漫画を読んだときから十年ぐらい経った、高校生の頃でした。
2012/03/23(金) 17:52:27 | URL | あぶもんもん
アトムとどろろと百鬼丸
 連投ですみません。
 なんとなく思うのですが、どろろと百鬼丸というのはアトムを分離させた形なんじゃないでしょうか。差別される存在としてのアトム、人間よりすぐれた能力を持っているが、人間になりたいけどなれず、欠けている部分をいつも意識させられているヒーローを百鬼丸として分別すると、あとに残るのは「ひとりぼっちで、したたかに生きる子供」、それがどろろの形になって現れたように思います。どろろも実は女の子ですし。アトムは「いい子」にしかなれませんが、どろろになることで伸び伸びとやんちゃなことが出来るようになりました。「百鬼丸とどろろ」は、後年さらにねじれた形で「ブラックジャックとピノコ」に引き継がれているような気がします。
 「百鬼丸」という名前からは、手塚治虫の別の漫画「鬼丸大将」を連想してしまいます。内容はまったく関係ないんですが。これは恐ろしく暗い漫画で、手塚漫画はどれも楽しみに読んでいた私ですが、これだけは読むのが億劫でした。
2012/03/23(金) 19:58:43 | URL | あぶもんもん
どろろの歌
個人的に、「どろろの歌」はアニソン史上トップクラスに位置する大傑作だと思います。
作曲は冨田勲ですしね。
歌詞もすばらしい!
映画版でも、あの曲をカバーすればよかったのに。
テーマ曲:Mr.Childrenとか、あんな発想はいいかげんに止めてほしい・・・
作品に合っていれば、それでもいいんですが。

アニメ版の最終回(原作と全然違う)は本当に怖かったです。
私の中では、ウルトラQ「悪魔っ子」の回と並ぶトラウマです。
2012/03/23(金) 19:59:39 | URL | esme
スポンサーサイドの不評で打ち切られた番組
あまりものおどろおどろしい内容にカルピス社長自ら同じ妖怪物で(原作の方は)世の中や体制に対する皮肉も織り交ぜながらも基本線は穏やかで平和的な展開の「ムーミン」を推薦したという逸話も残されていますね。
「ムーミン」作者のヤンソン氏はスウェーデン系フィンランド人という出自(ちなみに「ムーミン」は生粋のフィンランド人を表現しているとも)で、嘗てスウェーデンがフィンランドの宗主国だったという過去より、幼い頃から嫉妬や過去の恩讐交じりの迫害や虐めに苦しめられた過去を持ち、そんな過去がムーミンのキャラクターや独特の作風の形成に........、って詳しくはムーミンの方にでも(苦笑)。
2012/03/25(日) 02:41:48 | URL | TXの無いテレビなんて・・・
なんと、まだコメントゼロだったんですね、ここ。

● あぶさん
たしかに詞としては、そういう感じで、ワタクシも聞いた最初はそのように感じました。
ただその後いろいろ歴史をちょっとだけ調べるようになったりして、
この歌詞のような視点で物を考える人間だけだったら、
人間はこのように発展していないだろうと、今では思いますね。
この辺に関しては、いずれ他の場所でいつかは書こうと思っているのですが。
ラップかと言われると、違うんじゃないのと思いますけど(笑)。
ばんもんは南北分断された朝鮮を比喩した回というのは大人ならすぐにピンと来ますけど、
やはりこれはカムイ同様、大人向け、若者向けだったんですよね。

手塚治虫的大甲子園や後期バイオレンスジャックみたいな話もきっと作れますよね。
まあ火の鳥はそんな感じでしたか。続いていれば、ご指摘の展開もきっと有ったんでしょう。


● esmeさん
子供であるどろろから見た戦国の世という感じでは、たしかに最高の歌詞でした。
メロディーは中盤のふくよかな流れが、いかにも富田さんならではでね。


● TXさん
原作のムーミンも通り一遍に読みましたが、そんな核は微塵も感じなかったなあ(笑)。
寓話的といいますか、作劇家としてはスマートですね。
2012/03/25(日) 08:24:17 | URL | ごいんきょ
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