私的 昭和テレビ大全集
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判決 (1962)

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テレビ朝日の前身であるNETは、教育テレビという建前でしたから
露骨な娯楽番組を当初は作れず、ましてや最後発のハンデも有り、
開局からしばらくは脆弱な存在でした。
但し、朝と日曜昼、水曜夜だけは別。
朝はモーニングショーを開拓し、日曜昼はバラエティが強く、
水曜夜は8時から10時まで鉄道公安36号→判決→特別機動捜査隊という
国産一時間ドラマ三階建てがどれも大人気を博し、
他局から魔の水曜日と怖れられたほどでした。
この三本はどれも硬派な内容だったにもかかわらずの人気で、
もう、こういう現象はテレビでは出ないと思われますね。
他の二本はどれも既述ですので、今回は残る判決をやろうと思います。

法曹を扱ったドラマは決して多く有りませんが、
アメリカ初の一時間ドラマはあのペリー・メイスンと言われますし、
日本でもこのドラマが人気を博したり、日米共にTVドラマ初期に
法曹ドラマがブームとなった歴史を持つのですね。理由としては、
やはりそこには根元的に深い人間ドラマが存在するからでしょう。
このドラマのシナリオはモデルとなる裁判の資料を吟味した脚本を、
東京高裁判事や日弁連弁護士、最高裁秘書課長らが監修したといい、
その丁寧なドラマ作りは今日では絶対に不可能だろうと思われます。
故に、視聴率も時には30%を超える高さを誇っていましたが、
法曹関係者など玄人の支持も極めて高く、
後に説明する特殊な事情によって打ち切りとなった際には、
それらの人々による存続運動が広く展開されたものでした。

内容は、佐分利信を所長とする法律事務所の弁護士達が、
弱者救済の為に献身的に活動する法廷ドラマ。
所員には、昨年に元妻の岸田今日子よりほんのわずか先立った仲谷昇、
沢本忠雄、河内桃子といった面々がいました。
彼らが扱う事件では加害者も被害者的側面を見せ、
そうした悲惨な状況を告白するシーンがドラマの白眉でした。
同和、在日朝鮮人問題などをドラマで真っ向扱うというのも、
時代性も有りましょうが、今日ではなかなか難しいでしょう。
そうした政治的な内容が多かった為、各種圧力も様々に受けました。
制作中止、脚本カット、映像カット、再放送中止、放送中止。
およそ考えられる数々の措置を経験し(笑)、
ついには人気絶頂の中で放送終了となったのです。

そういう事になった背景には、内容の左翼偏向が言われました。
NETには労組も有りましたし、何よりも時代的に左翼が強かった時代。
また、法曹方面というのは非常に人権を強調するところで、
何故ああまで人権人権と連呼するのかと客観的に不思議なほどなんですよね。
法律資格のテキストを見ると一に人権二に人権という感じの説明で、
いい加減ウザくなって読む気力が萎えてしまうほど(苦笑)。
そんな事はテキストで主張する事じゃないだろうと思うのですが、
洗脳したいんでしょうし、実際に洗脳された人間が多いんでしょう。
人権を前面に出せばたしかに大っぴらには異を唱えづらいですが、
その実体は、全体としての国家の力を強くしたくないという、
左翼独特の思考回路が働いている事は間違いないでしょう。
ワタクシは、全体と個の調和を唱えないものは、あまり信用しません。
全体の力が弱くなれば、結局一番被害を被るのは真の弱者ですし。
次に本格法廷ドラマを作ろうという動きが出る際には、
そういう視点を持つドラマ制作を望みますね。

この判決では、先に言ったように朝鮮人問題も扱われました。
戦争中に日本にやってきた朝鮮人が(強制連行ではありません)、
捕虜となって収容された時に、同室の日本人から頼まれた言伝。
それは、その者は朝鮮人妻がいて、子供もいるという内容でした。
戦後、方々を探し続けたその朝鮮人は、ようやくその男の老父を見つけ、
その事を伝えるや、男は激昂して証拠の写真を破ってしまいます。
我が一族に朝鮮人の血を入れようとするデッチアゲだと言うんですな。
朝鮮人は、何年も苦労して探して消息を伝えてあげたのに
そんな扱い、言われようをして、つい突き飛ばしてしまい、
打ち所が悪くて結果的に老人を殺してしまいます。
戦後の日本人に受けた数々の仕打ちで心を閉ざしてしまった彼は、
動機、理由を完全黙秘したまま審理が進んでしまう。
そんな彼に暖かい言葉を投げかけ、真実を語らせようというのが、
佐分利ら事務所のメンバーでした。
結局、彼がそんな弁護士たちの態度に心を開き、
事情を語り始めると、被害者の娘は彼に泣き詫び、
減刑嘆願活動をし、執行猶予がつくという話でした。

全編でアリランが効果的に歌われ流されていたこの回は、
それでも左翼色が今ほどは強くないと思います。
その朝鮮人は自分から日本に渡ってきた事にちゃんとなっているし、
捕虜となった日本人が、朝鮮人によって不利な証言をされたと
この回の主役の朝鮮人にこぼすシーンも有るし、偏向は無いようです。
ただ、話自体はどうも出来すぎという感じがしますが。
現在のテレビ局による戦中を舞台としたドラマの方が偏向は酷いですよ。
日本国・日本人を徹底的に悪役に描く構図。
たしかにそうしている限りは中朝米からの弾圧は免れるでしょうが、
そういう、自分達を守ろうとしてくれた人たちを売り渡して
自分は安全な立場から正義感ぶるって、本当に卑しいと思います。

提供は、ニッカウヰスキーと中外製薬でした。
ウヰスキーっていう表記が良かったんですよね。
今ではアサヒビールの完全子会社となってしまったようですが。
サントリーのアンクルトリスは子供にも馴染み深かったですが、
ニッカのCMって社風同様硬派というか、あまり記憶に残ってないです。
品質に拘り続けた硬派なニッカがこの硬派社会派ドラマを提供したのも、
なにか納得がいきます。
中外も硬派な医薬品メーカーで、昔はグロンサンとか有りましたけど、
現在は完全に業務用医薬品一本のようですね。
この当時の商品は中外胃腸薬とかでしょうか。
いずれにしても、CMが記憶に残らなそうなメーカーです(苦笑)。
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コメント
この記事へ寄せられたコメント
ニッカウヰスキー
コメントがないというのは、やはり、VTRがなくて再放送されなかったということでしょうか。
 この「判決」はよく見ていました。社会派ドラマでした。外国TVドラマで弁護士ものといえば、レイモンド・バー主演の「ペリー・メイスン」が有名ですが、これはE・S・ガードナーの小説が原作の謎解き主体の推理ドラマでした。むしろ、「判決」の半年前に放送が始まったNHK教育テレビの「弁護士プレストン」(主演 E・G・マーシャル)がアメリカ社会の抱えるさまざまな問題を取り上げている良心ドラマですので、こちらをお手本にしたのでしょう。
 いまでも、強烈な印象に残っているのは、教育問題を取り上げた回で、ラスト近くの法廷の場面で、ベテラン教師が悲痛ともいえる熱弁をふるうシーンです。内容はすっかり忘れたのですが、その教師に扮した渋い脇役の信欣三と脚本を書いた本田英郎の名前はしっかりと脳裏に刻み込まれたのでした。以来、本田英郎が脚本を書いた回は、のがさず見るようになりました。
 弁護士の一人だった沢本忠雄は日活の若手スターでした。小林旭、川地民夫と組んで、「三悪」としてトリオで売り出されました。NHKの人気番組「事件記者」が日活で10本映画化されたときは、テレビには出てこない新日報社の記者役で主演しています。東宝怪獣映画の常連ファム・ファタール水野久美と結婚しました。近年NHKの連続テレビ小説「あすか」に出演しているのを見つけたときはなつかしかった。
「判決」に朱杖淫していたころだと思いますが、スポンサーのニッカウヰスキーのCM(ハイニッカかブラックニッカ)に出ていました。
ニッカのCMは、この「判決」とジーン・バリー主演の西部劇「西部の伊達男 バット・マスターソン」でいつも見ていました。サントリーと違って地味なものでした。しんしんと降りつもる雪、シャンシャンと鈴を鳴らしながら樽を積んだ馬車が雪道を走り、屋根をすっぽりと雪で覆われた貯蔵庫・・・「ウイスキーのふるさと 北海道余市」というフレーズは子どものころから刷り込まれたのでした。
2008/08/14(木) 16:45:09 | URL | 漫中老
放送中止と言えば「判決」、「判決」と言えば放送中止といった具合で
度重なるあちこちからの圧力で潰された番組と認識しております。
確か最初の放送中止は税制問題を扱った回で表向きの理由は酔っぱらった爺さんが犯罪を犯すシーンがニッカの怒りを買った等と説明されたらしいです(笑)が、それはあくまでも表向きでしょう(爆)。こういう姑息な圧力の掛け方自体、実は非常に左翼的なやり方でもある訳ですがね・・。
私的には日本の役人や政治家達に相当数ソ連のスパイ崩れが居た(今現在も実はあまり変わっていないのでは無いか?)事の何よりの証左と言えると思うわけですがね・・・・。
つまり戦争中から戦後にかけてソ連に全面協力した方々なんでしょう。

私が是非観たいと思っている回は「米軍の存在が日本の航空管制の最大の障害となっている」事を取り上げた回(確か航空機事故の裁判で原因を究明していったら、その問題に行き着いたといった話です)なんですが、確かこれも前後編の2回シリーズで前編だけで放送中止になったのでは無かったでしょうか?
今では冷戦も終了し、以前ほど日本領空に於ける米軍による締め付けは無い様ですが(1985年の日航機墜落事故以来、日本国内で飛行中の墜落事故が無くなったのはそれが一番の原因でしょう・・・・・又搭乗者にアメリカでもかなり知られていた歌手が乗っていらっしゃったという事もアメリカ政府や米軍にとっては私達が思っていたよりも遙かに衝撃的な出来事だったのかもなぁ、とも)、一体、日本の空(空だけでは無いですが)はどこの国の物なのか?と・・・・・という事で仮に日米安保が無くなっても、日本の役人や政治家達は今度は中国辺りの奴隷に成り下がるんでしょうなぁ(溜息)。
大体アメリカや中国をネット等あちこちの場で批判した場合、アメリカは貴重な意見として受け止めて頂く、という反応を見せ、中国にしても色々と文句は言いながらも話としてはしっかり聞いている訳ですが、日本国内からの反応がねぇ(笑)。一体日本でのああいう方々は何処の国の人の積もりなんでしょう(笑)。
只ああも間抜けな程頑なだと逆に本国からも切られてしまうのでは無いか?とか私の方が余計な心配までしてしまうんですが(爆)。

この辺りちょいと際どい話ですが。
2008/08/17(日) 15:49:49 | URL | TXの無いテレビなんて・・・
「判決」の主題曲
このドラマは幼少の時に観た記憶があり、印象に残っています。この番組の室内楽風の小品の主題曲がとても鮮烈に印象に残っています。どなたか、この曲の情報をお持ちの方、(作曲者どか)何でも良いので教えてください。よろしくお願いします。
2008/10/05(日) 00:45:54 | URL | jetscrew
● 漫中老さん
いつもながら内容の濃いコメントですよねー。
ワタクシが本記事でマンチュウさんがコメント欄って、
なんだか立場が逆だろうって感じですよ(笑)。
できれば昭和30年代の番組の本記事を書いて戴きたいくらい。

ニッカのCMは子供には絶対にウケない硬派なものでしたよね。
しかしまあ、よくご記憶で。


● TXさん
酔っぱらいが事件を起こしたのがニッカの逆鱗に触れたというのも、
特に当時なら有り得なくはないと思いますよ。
三共提供日真名氏とびだすでは、麻薬を使った犯罪が
やはりスポンサーのご勘気を蒙ったとかあったような。
ソ連スパイですか。シベリア抑留でかなり養成されたらしいですがね。
その話との相関性についてはなんとも。

前編だけ中止したってのも凄い話ですね(苦笑)。
米軍の問題は要するに治外法権って話でしょうからね。
米軍機が飛べばそこが治外法権(笑)。
それにしても今では絶対に扱えない、扱わない題材ですよね。
左翼は気合い入ってた時代ですが、今は右翼が気合い入っているわけでもない。
単純に日本の事を考える人が減ってきたって事なんでしょう。
一般大衆だけでなく、政財官の全てで。
冷戦終了の気楽さなんでしょうが、またぞろ色々キナ臭くなってます。
そう考えれば、それも悪い事ばかりではないんでしょう。
表面的には悪い事の方がはるかに多くなりそうですけどね(苦笑)。


● jetscrewさん
主題歌ですか?
たしか、むかし東映から出た『テレビドラマ主題歌全集』っていう
レーザーディスクに収録されてなかったかな。
わかったらお知らせしますね。
2008/10/14(火) 01:03:30 | URL | ごいんきょ
主題曲
たまたま「判決」について検索してたら、ここにたどり着きました。このテーマ曲の楽譜が、40年ぐらい前のギター教則本に載っていて、今でも弾けます。
2011/10/02(日) 21:29:14 | URL | テレビ小僧
先のコメントで書いたLDには、何故かこの番組が収録されてませんでした。
何故だろう? 鉄道公安36号も入ってませんし。
判決のテーマは、ソノシートで収録、販売はされました。
あれがギター教則本に載っていたのが不思議な感じです。
よほど編者がこの番組を好きだったんでしょうね。
2011/10/10(月) 16:42:47 | URL | ごいんきょ
● jetscrewさん
判決の主題曲は、当時ビクターからシングル盤も発売されてまして、
その後に入手でき、個人誌に画像も載せました。
作編曲は渡辺浦人先生。渡辺岳夫先生のお父様ですね。
2013/12/01(日) 10:42:18 | URL | ごいんきょ
私もこの主題曲、ギターで弾けます!
すでにコメントがあるとおり、ギターの練習やり始めた頃、ある教則本に載ってました。初心者には弾きやすいからでしょうか。今でもすぐ弾けますよ。
30数年前、あるファミレスにいたら、有線かなんかでこの曲が流れてビックリしたこともあります。
「判決」「若者たち」と、思想的偏向があるという理由で打ち切りになったドラマが、当時はいくつかあったようです。自民党政権に偏向している内容だったら打ち切りにはならないんでしょうが。
NHKの新会長によって、政府を批判するような番組は自粛されるのではないかと心配されてますが、民放ではとっくの昔にそれがあったんですね。
2014/07/04(金) 21:24:32 | URL | マジェスティ
ああ、ギターをやっていた人には知っている人も多いのかな。
有線で流れたというのは、リクエストする人も意外ですが、
その局がこの番組の主題曲を持っていたというのも驚きです。
そうは多く見かけないんですよね。

この番組に関しては、多分ベトナム戦争の影響が非常に大きいと思います。
アメリカ様に阿って、左翼人材を粛正してたんですよね。
若者たちは、さほど政治的な問題を扱ったわけでもなく、視聴率が悪かっただけだと思います。
2014/07/09(水) 07:04:50 | URL | ごいんきょ
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