番頭はんと丁稚どん (1959)
さてさて、昭和テレビ笑芸人列伝。
金語楼の次にテレビを席巻したのは、なんと言っても
東のクレージーキャッツ、西の大村崑にとどめをさしましょう。
時期的には、大村崑の方がやや先になりますね。
実は更にこれより以前、脱線トリオが人気を博すのですが、
それについては後日、違う話題でやろうと思っております。
崑ちゃんが最初に頭角を現したのが、既述のやりくりアパート。
眼鏡をズラした鼻めがねスタイルの可愛さで一躍スターとなり、
番組中の生CMでミゼットを連呼して、
ダイハツミゼットを昭和30年代の代表的車に押し上げたものでした。
そんなやりくりアパートで名を売った面々、大村崑、
茶川一郎、芦屋雁之助、芦屋小雁、そして作家の花登筐らが、
この番組も請け負っていたので、やはり大人気となりました。
NHKの『私の秘密』を大きく抜き、60%を超える視聴率を記録。
内容は、タイトル通りに番頭はんと丁稚たちのやりとりを描いた
公開舞台喜劇で、提供は、便秘に七ふく、七ふく製薬。
「七ふく提供、番頭はんと丁稚どんをお楽しみ下さい」と
女性アナのナレーションで番組が始まり、幕が開くと
崑ちゃんたち丁稚連中がラインダンスよろしく足を揃えて
テーマソングを歌うというオープニングでした。
商売人の街、大坂らしい題材を得た花登筐は、
後にあきんど魂でのし上がる立身出世ドラマで名を馳せますが、
その作品では必ず主人公がイビリに遭い、
それを不屈の闘志で跳ね返すというのもウリでしたっけ。
この番組は喜劇ですが、そうした花登の作風は早くも現れていて、
大村崑演じる崑松が、丁稚仲間の茶川一郎にいびられる描写が有り、
それにめげない大村の描写が判官贔屓の人気を呼びました。
そうなると面白くないのが、いびる側の茶川一郎。
茶川はほどなく降板という事態となり、毎日放送と七ふくは、
新聞広告でそうした事態をお詫びしたと言います。
茶川はその後、一心茶助という喜劇で人気を盛り返すも、
その一心茶助をパクったという噂しきりの『てなもんや三度笠』に
人気を追われてからは、あまり名を聞かなくなってしまったようです。
少なくとも関東人は、今では知らない人が多いでしょう。
そもそも番頭役も、佐々十郎の予定だったのが、放送開始直前に、
やはりいびり役を嫌って降りたという話で、芦屋雁之助となりました。
禍福糾える縄の如し。
雁之助はここからスターとなっていき、佐々は後退気味となりますか。
崑松崑松呼ばれていた大村演じる丁稚・崑松は、
十円ハゲのかつらに例の鼻眼鏡。彼の眼鏡は元々、
関東喜劇人の三木のり平から拝借したアイデアと言いますが、
崑松の十円ハゲヅラは、後年、関東喜劇人たるドリフターズの
加藤茶がアイデア拝借し返し、全員集合のコントでよく使ってましたね。
この番組で波に乗った大村崑は、更によみうりテレビの方で主演を獲得。
そのとんま天狗の方も大ヒット喜劇となったものでした。
土曜とんま天狗(YTV-NTV)、日曜やりくりアパート(ABC-KRT 現TBS)、
そして月曜がこの番頭はんと丁稚どん(MBS-NET 現テレビ朝日)。
当時、正しく一世を風靡していた感が有ります。
とんま天狗のスポンサーだった大塚製薬には、
企業イメージキャラクターのように長年起用され続け、
昭和40年代もオロナミンCのCMでずっと鼻眼鏡を披露してました。
紛れも無く、昭和を代表するテレビ笑芸人の一人であります。
ご自身の想い出、この記事への感想、情報、なんでも結構です。
記事や最終コメントの日付は関係ありません。
あなたのコメントがこの記事に再びの息吹を下さるのです。
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金語楼の次にテレビを席巻したのは、なんと言っても
東のクレージーキャッツ、西の大村崑にとどめをさしましょう。
時期的には、大村崑の方がやや先になりますね。
実は更にこれより以前、脱線トリオが人気を博すのですが、
それについては後日、違う話題でやろうと思っております。
崑ちゃんが最初に頭角を現したのが、既述のやりくりアパート。
眼鏡をズラした鼻めがねスタイルの可愛さで一躍スターとなり、
番組中の生CMでミゼットを連呼して、
ダイハツミゼットを昭和30年代の代表的車に押し上げたものでした。
そんなやりくりアパートで名を売った面々、大村崑、
茶川一郎、芦屋雁之助、芦屋小雁、そして作家の花登筐らが、
この番組も請け負っていたので、やはり大人気となりました。
NHKの『私の秘密』を大きく抜き、60%を超える視聴率を記録。
内容は、タイトル通りに番頭はんと丁稚たちのやりとりを描いた
公開舞台喜劇で、提供は、便秘に七ふく、七ふく製薬。
「七ふく提供、番頭はんと丁稚どんをお楽しみ下さい」と
女性アナのナレーションで番組が始まり、幕が開くと
崑ちゃんたち丁稚連中がラインダンスよろしく足を揃えて
テーマソングを歌うというオープニングでした。
商売人の街、大坂らしい題材を得た花登筐は、
後にあきんど魂でのし上がる立身出世ドラマで名を馳せますが、
その作品では必ず主人公がイビリに遭い、
それを不屈の闘志で跳ね返すというのもウリでしたっけ。
この番組は喜劇ですが、そうした花登の作風は早くも現れていて、
大村崑演じる崑松が、丁稚仲間の茶川一郎にいびられる描写が有り、
それにめげない大村の描写が判官贔屓の人気を呼びました。
そうなると面白くないのが、いびる側の茶川一郎。
茶川はほどなく降板という事態となり、毎日放送と七ふくは、
新聞広告でそうした事態をお詫びしたと言います。
茶川はその後、一心茶助という喜劇で人気を盛り返すも、
その一心茶助をパクったという噂しきりの『てなもんや三度笠』に
人気を追われてからは、あまり名を聞かなくなってしまったようです。
少なくとも関東人は、今では知らない人が多いでしょう。
そもそも番頭役も、佐々十郎の予定だったのが、放送開始直前に、
やはりいびり役を嫌って降りたという話で、芦屋雁之助となりました。
禍福糾える縄の如し。
雁之助はここからスターとなっていき、佐々は後退気味となりますか。
崑松崑松呼ばれていた大村演じる丁稚・崑松は、
十円ハゲのかつらに例の鼻眼鏡。彼の眼鏡は元々、
関東喜劇人の三木のり平から拝借したアイデアと言いますが、
崑松の十円ハゲヅラは、後年、関東喜劇人たるドリフターズの
加藤茶がアイデア拝借し返し、全員集合のコントでよく使ってましたね。
この番組で波に乗った大村崑は、更によみうりテレビの方で主演を獲得。
そのとんま天狗の方も大ヒット喜劇となったものでした。
土曜とんま天狗(YTV-NTV)、日曜やりくりアパート(ABC-KRT 現TBS)、
そして月曜がこの番頭はんと丁稚どん(MBS-NET 現テレビ朝日)。
当時、正しく一世を風靡していた感が有ります。
とんま天狗のスポンサーだった大塚製薬には、
企業イメージキャラクターのように長年起用され続け、
昭和40年代もオロナミンCのCMでずっと鼻眼鏡を披露してました。
紛れも無く、昭和を代表するテレビ笑芸人の一人であります。
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