私的 昭和テレビ大全集
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七人の孫 (1964)

該当番組画像募集
これが森繁久彌、最初の連続テレビドラマ出演だったんですね。
単発ドラマでは既に何度も出ていて、かの名作マンモスタワーでも
忘れ難き名演を披露しておりますし、ナショナル劇場でも、
これ以前の青年の樹に於いて、主人公の父親役などやっておりますが、
いずれも出演は単発的で、レギュラーでの出演は初だったという事です。
更に、八時半から九時までの30分枠だったナショナル劇場が、
一時間枠としてスタートする事になる、最初のドラマでもありました。
加えて、国産一時間ホームドラマの草分けともされております。

森繁ってずいぶん昔からお爺ちゃん役やってるけど、
いつまでも変わらない感じだなあと思っていたら、
この時なんと、50歳で70の老人の役をしていたんですね。
もっとも当初は、この老け役に本人は難色を示したと言います。
明治の祖父、大正の父母、そして昭和の孫たちの大家族がおりなす、
なんと言う事もない漫然とした展開の、キャラクターで魅せるホームドラマ。
孫は実際には6人だったようで、いしだあゆみ、松山英太郎などが、
初々しい姿で画面を彩り、その父母は大坂志郎と加藤治子。
更には犬猫お手伝いさんまで交えての、本当に賑やかな一家。

なんで孫が6人なのに七人の孫なんてタイトルなんだと思われるでしょうが、
その昔別れさせられた恋人との間に、もしかすると子供ができているかもしれない
という意味合いを持たせたものだったようで、素で森繁っぽいです(笑)。
てっきり、同局の七人の刑事からヒントを得たタイトルと思ってましたが、
一応は原作が有るんですね。ただ、2回分にしかならなくて(笑)、
後はみんなオリジナル脚本だったと言います。
そこで抜擢、重用されたのが、かの向田邦子でした。
彼女も、森繁学校の生徒みたいなものだったんですね。

森繁久彌と言えばアドリブで共演者から嫌がられており(笑)、
加藤治子などは真剣に悩んで、降板まで考えたと言いますが。
なにしろ当時は生放送、もしくはそれに準ずる形でのVTR収録ですから、
NGなんか出したらプロデューサーらからは怒鳴られ、
共演者からは冷たいまなざしで見られるという、プレッシャーの嵐。
ところが森繁は異常にセリフ覚えが良い人だったようで、
余裕を持ってアドリブをかましまくっていたわけです。
昔の喜劇畑の人はこんなお茶目な人が多かったのか、
渥美清などもTVドラマ『男はつらいよ』で、アドリブで笑わせまくった話が有ります。

ディレクターにはかの久世光彦がおり、彼も森繁学校の一員となって、
最晩年まで二人の密な関係は続く事になるのですね。
更に、この両者と関係の深い樹木希林。
当時悠木千帆の彼女は、ハマリ役のお手伝いさん。
森繁がかましてくる迷惑なアドリブに、当意即妙な返しを常とし、
森繁に気に入られてどんどん出番が増えていったと言います。
このドラマと言えばこの両者によるアドリブの掛け合い
みたいに記憶している人もいるようですね。
森繁のアドリブ節には視聴者の反応も良かったようで、
そのうち番組冒頭に一分ほど、森繁トークが加えられるようになったと言います。

これらアドリブの数々は、様々な実地を経験して鍛えられたと想像に難くなく、
とにかく実生活でも、時代とは言え、波乱に富んだ人生を送った人のようでした。
戦争が終わってからですが、ソ連人に同胞の山のような死体を埋めるよう命令された時、
抗議した相方は目の前で射殺されたという経験までしているようです。
極東軍事裁判で、いわゆる連合国軍側の「戦争犯罪」は裁かれましたかね?
もっともソ連が日本人にした非道は、「戦争犯罪」ですらないのですが。
ま。あんなくだらない裁判ごっこの茶番劇はまったく関係ないしどうでもいいとしまして、
森繁の「演技力」というものは、結局、そうした人生という舞台・芝居で培った、
「人間力」なんだろうなとワタクシは思っていて、上手いとか、自然だとか、
説得力が有るだとか、そんな評論言辞が馬鹿馬鹿しくなるものでした。
素質を時代が磨き上げ、それを余すことなく開花させられる状況に恵まれた人。
有り体な言葉で言えば天才、幸運な役者だったと言えるのではないでしょうか。
これらをただの一語で表現すれば、名優、という事になりましょう。
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この記事へ寄せられたコメント
おトシさんとお隣のおばあちゃん
お手伝いさんの悠木千帆さんの役名が「としこ」で、みんなは「おトシさん」ってよんでましたね。
今って“女中”って言葉は死語(または放送禁止用語?言っちゃダメ?)なんでしょうか。
お隣のおばあちゃんだかお手伝いさんだかで、新派の女形・英太郎(はなぶさ・たろう)さんが出られてて、森繁さんと垣根越しに、それこそアドリブで言い合っているという場面がいつもあったと思うんですけど・・。
英太郎さんはホントの女の人と思ってたら男の人だっていうのがわかってビックリしたし、英太郎と書いて“はなぶさ・たろう”と読むのがわかって、勉強になりました(笑)。
2009/11/20(金) 10:05:17 | URL | ななお
VTRが1本も残っていないのが今からすると残念!
非常に残念な事は、この番組が生ドラマで且つ全JNN系列局同時ネット(TBSはこのナショナル劇場をJNN全体の看板と位置付け異時ネットを一切認めなかった様ですな。)だった事でVTRに記録される事が一切無く、本放送で全国に発信された電波と共に空中に散逸してしまった事ですね....。
勿論再放送される事も全く無かった訳です。

私が思うにこの「七人の孫」の件がTBSがコンテンツ保存に熱心な局となった大きな切っ掛けの一つだったのでは無いか?とも思いますね。
2009/11/21(土) 13:30:53 | URL | TXの無いテレビなんて・・・
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