私的 昭和テレビ大全集
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天下一大物伝 (1976)

該当番組画像募集
原作は、週刊少年サンデーに連載されていた梶原一騎原作の漫画でした。
絵は大島やすいちが担当しており、非常に見易かったのですが、
梶原作品としてはインパクトが薄かったのか、二年足らずで終わっております。
そも梶原作品の芯を問えば、主人公に過酷なまでの忍耐を強いるという点でしょう。
それが最も端的に表れるのが女性関係で、有名な梶原ヒーローは、
全て童貞のまま死、または不具の身となっております。
もっと悲惨なのは、星飛雄馬のような生涯童貞の刑に処せられた存在です。

ともかく、梶原ヒーローは誰も彼も忍耐を強いられる。
しかも、気も狂わんばかりの忍耐と修練の果てにも、
究極の目標にはいつも届かないし、仮に届いても決定的な破滅が待っている。
ワタクシは、こうした構図にいい加減辟易していたのです。
痛快な作品を好むワタクシは、梶原作品にはいつも欲求不満を感じていました。
梶原にはサクセスストーリーは書けないし、書く気も無いんだろう。
そう思っていた矢先にちょうど発表されたのが、この天下一大物伝でした。

「僕はカメラマン、志摩洋一」で始まるこの漫画は、
芸能カメラマンの志摩が、明日香ルミの迷惑ファンですらあった、
二代目無法松こと小倉の名物大番長・無双大介が、三年後には
迷惑がっている明日香ルミを自分の嫁にすると一方的に宣言する様子を、
自らカメラに収め、報道するというシーンから始まります。
志摩はその時、これが日本のゴッドファーザー、日本のオナシスと呼ばれる事になる
無双大介の、今にして思えば始まりのシーンであったと回想するのです。

おお!
梶原一騎にしては珍しく、主人公が成功する話のようだぞ。
細うで繁盛記以来、立身出世ものが好きなワタクシは、この作品に大いに期待し、
その後も毎週欠かさず読み続けましたし、コミックスも全巻揃えました。
そして、頭初の目論見通り、きちんと大介は成功し、
日本のゴッドファーザー、日本のオナシスと呼ばれる存在となって終わり、
梶原作品としては異端とも言える、徹頭徹尾のサクセスストーリーとなりました。
ただ、当初は狂言回しとして非常に重要な位置にいた志摩が、
いつの間にやらどこかに行ってしまったなというのは有りましたが(笑)。

この漫画がドラマになった時には、些か面喰らいました。
梶原作品としてはどうしても異端で、もっと他にドラマ化できそうな作品は有るのに、
大して人気も無いであろうこの漫画がドラマ化されたのは、理由がわかりませんでした。
しかしワタクシ自身はこの漫画が好きでしたので、一応チェックしてみようと、
第一回はチャンネルを合わせてみたのです。
ただ、東京12チャンネルというのに若干の不安を覚えておりましたが(苦笑)。
思えば、愛と誠はそこそこ人気は有ったと思うのに、やはり12チャンネル。
不良を描いたドラマだから、当時の一般テレビ界は二の足を踏んだんでしょうか。
おそらくその縁での、この番組となったのでした。

内容は、第一回はほとんど原作通りだったと思います。
明日香ルミのいる舞台に迷惑ファンと化した無双大介がにじり寄り、
取り巻きに眉間を蹴られ、三年以内にルミを嫁にすると宣言。
その一部始終をカメラに収めた志摩が、モノローグするところまで、
ほとんど原作通りだったと思います。
ただ、その後は例によって少しずつ原作から逸脱し、
オリジナルの風合いが強くなっていたんじゃないでしょうか。
軍師役のナポレオンこと孔明一郎は登場したはずですが。
最終的に或る程度の成功は収めてるでしょうが、
原作のような、日本のゴッドファーザー、日本のオナシスにまではなってないような。

原作では、ルミの母親がヤクザ芸能プロの極東興業に接近し、
それがスキャンダルとなってルミ人気は失墜。
そこに大介が祖父の遺産の油田を利用して金を作り、
ルミに救いの手を差し伸べ、プロポーズすると、
恩を感じているルミは仕方なしの感じでそれを受けるのですが、
かの油田が実は現実のものとならず、大介は三日殿下に終わり、
そっとルミの元から去るが、その時、初めてルミは大介に想いを寄せながら歌う、
という流れが当初の部分で、この明日香ルミ編はドラマ化されてるんだろうと思います。

元の木阿弥となった大介は、原作では運輸業に転身し地道に稼ぎ出し、
軍師・孔明一郎との出会いが大きな転機ともなって、最終的には成功。
途中で想いを寄せる女性も、看護婦から女子プロレスラーまで様々。
最終的には、自分の会社で事故に遭わせ亡くなった少年の姉と結婚する事になるのですが、
そのハネムーンの様子まで描かれたり、どこまでも通常の梶原ヒーローとは
一線を画した存在で、見ていて不思議な感じがしたものです。

どんな心境でこのような作品を書く気になったのか。
俺だってやろうと思えばオーソドックスなサクセスストーリーも書けるんだ
というところを見せたかったんでしょうかね、作家の意地として。
ただ、それが一般的な人気作とはならず、むしろ飛雄馬やジョーのような、
抑圧された、ストイックな存在が脚光を浴びていたのは、
舞台が少年漫画誌だったという事もあるんだろうと思います。
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コメント
この記事へ寄せられたコメント
大島やすいち
これテレビでもやってたんですね。
残念ながらまったく見てないのですが、マンガの方は、当時大島やすいちの絵が好きだったこともあり、ついでに読んでましたね。
2009/11/26(木) 11:00:53 | URL | naokiman
12チャンネルっぽいドラマ
これ、観てました。
原作もリアルタイムで読んでたと思いますが、うちは女きょうだいしかいなかったのに当時誰がサンデーなんか買ってたのだろう。

ドラマでは岡本信人さんが狂言回しのカメラマン役で出ていましたね。
主役の方は役名と同じ無双大介を芸名にされてましたが、マンガとはずいぶんイメージが違う感じでした。

最終回はなんか中途半端にサクセスして終わったような気がします。

誰かが書いてましたが、梶原一騎の作品の特徴として、
1.主人公が使い物にならなくなる。
2.必ずデブが幸せになる。
というのがあります。
「天下一大物伝」は2には当てはまってますね。
2012/09/20(木) 01:24:14 | URL | u-maa
● naokimanさん
あまり有名でない作品なので、上げてくれる人が出るまで時間がかかってしまいました(苦笑)。

大島先生は絵が上手かったなあ。
でも、アニメ化はかなり後のステップジュンまで無かったですかね。


● u-maaさん
あー、そうだ。岡本信人さんだったかな。
いやあ、このドラマで語り合える日が来るなんて、インターネットは素晴らしい(笑)。

そう。
主役の人は芸名も無双大介にしたんですが、伸び悩みましたね。
確かにあんな怪物、実在するわけなし、
孔明一郎役も難しいだろうし、そもそもドラマ化に無理有り過ぎです。
おそらく運輸業でそこそこの成功を収めたところで終わらせたんでしょうね。

デブというか、巨漢ですね。
そう言えば、左門も西も意中の人と結婚しますね。
おそらく自身を投影させたんだろうなあ(苦笑)。
2012/09/20(木) 04:18:19 | URL | ごいんきょ
懐かしく拝見しました
『天下一大物伝』に出演させて頂きました、松原愛です。
この作品は、当初『けっぱれ大ちゃん』と言っていたと記憶していましたら、題名通り『天下一〜となっていたのですね。

皆さんがご指摘のように、なんとなくうやむやに終わったのは、結局打ち切りとなってしまった為なんです。
私は、看護婦役でした。岡本信人さんと、
明日香ルミ役の役者さんが、この番組がご縁で、結婚されたんですよー
私と梶原一騎先生のご縁は『愛と誠』からでしたから、使って頂いたのだろうと思いますが、事務所関係者も先生もお亡くなりになっていて、はっきりとした経緯はわかりません。

この作品を話題にして頂き、本当にありがとうございます。
2013/05/04(土) 20:27:45 | URL | 松原愛
これはこれは、わざわざ貴重なお話を幾つも、本当に有り難うございます。
松原愛さんに関してお復習いしようと思いましたが、まだウイキペディアに項目有りませんね。
誰かお願いします(笑)。
現状では、↓これが最も詳しいかな。
http://www.hirotarian.ne.jp/backno/1801-yume.html

うーん、かなり闘病されていたようですが、お元気そうで何よりです。
映画版『愛と誠』の主題歌を歌っていた『あいとまこと』の片方が松原さんだったのですね。
ワタクシは正直な話、早乙女愛さんより漫画の早乙女愛に近いと思ってました。
髪とか、完全にそのままでしたもんね。
ほぼ間違い無く、その流れでのこの番組での起用でしょうね。

けっぱれ大ちゃんはまったく違う番組で、
おそらく主人公がずんぐりむっくりの体型というところからの混同でしょうか。
漫画の無双大介は大柄ですが、ガッチリしてるんですけどね。

あー。看護婦が松原愛さんでしたか。
という事は、主人公と結ばれる役でしたっけ?
明日香ルミ役の人も、さすがに覚えてないんですけどねえ。
まさか岡本信人さんのロマンスが、こんな地味な番組で有ったなんて(笑)、
あの方らしいというのかなあ。
かなり貴重な情報でした。
本当に有り難うございました。

しかし、「お魚になった私」も思い出深いCMですが、
あの歌は松原さんだったのですか。
まさか、お風呂に入っていた方ではないでしょうからね(笑)。
独占!女の60分にも、そう言えば出てらしたなあ。

梶原先生の早過ぎる死は、以前も書きましたが、ワタクシは本当に悔しかったです。
そして、つい先日、弟さんの真樹日佐夫氏も昨年に亡くなったと知って、非常に残念です。
2013/05/05(日) 16:40:01 | URL | ごいんきょ
お久しぶりです
ご無沙汰しております、松原愛です。
『天下一大物伝』が実はもっと長く続く予定だった事もご報告しておかねば、と思い投稿させて頂きました。

みなさんのご意見に、なんとなくあやふやに終わったような印象がおありでしたが、
実は打ち切りになることになったからなのです。
こんな事は、局の事情だったのでしょうが、今こうして少なからずもネットに登場したことは、梶原一騎先生のお陰様だと感謝しています。

それから、『お魚になった私』繋がりで、山東ルシアさんともお友達です。
はい、演者の方で、出演しておりましたよ。2人とも、今も病気と仲良くしています。元気に頑張っていますので、今後とも応援宜しくお願いします。
2016/01/25(月) 10:26:22 | URL | 松原愛
度々ありがとうございます。
本当はきちんと天下一の大物に成る予定だったんですかねえ。

あー、三東ルシアさんでしたね。
松原愛さんも眩しき裸身を披露されたのですか?
いまYouTubeで見られるのだと、ワタクシの記憶しているのとは違う映像で、
ワタクシが覚えているのは、空中で大きなブランコを漕いでいたような。
あれが松原さんだったのでしょうかね。

なんと、ルシアさんもご病気とは。
そして、お二人がCM繋がりで友人だなんて、素敵な話です。
長年の闘病繋がりでもあるなんて、本当に縁が深いんでしょうね。
2016/02/11(木) 22:33:47 | URL | ごいんきょ
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