私的 昭和テレビ大全集
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ふぞろいの林檎たち (1983)

ふぞろいの林檎たち

只今、個人誌『昭和テレビ大全集レコード版』&『ライト版』発売を記念し、
TBS金曜夜の番組、及び、子供向バラエティ・教育番組を織り交ぜて特集しております。
今回は、名ドラマを振り返る企画で大体出てくる、この番組です。


TBS金曜夜のドラマが牽引した形式として、虚実混交業界ドラマが有る事は、
『パパはニュースキャスター』の稿で述べました。
そちらは21時台でしたが、22時台の所謂『金曜ドラマ』枠でも、
そのように、他局が似たような設定のドラマを量産した形式が有りました。
複主劇。
3人以上の主役級に起きる事柄を、ほぼ並列的に描く作劇術。
複主劇。
今後も当ブログでは使っていくので、覚えておいて下さい(笑)。

この番組の前番組が、鎌田敏夫による『金曜日の妻たちへ』。
これこそ、事実上の複主劇の夜明け。
あちらは女の友情を背景に、ドロドロした恋愛をお洒落に描き、
所謂不倫というものの垣根を下げてしまいました。
一方のこちらは、男の友情を背景に、これまではお洒落に描かれた若者の恋愛を、
泥臭く現実により近づけるという役割を果たしました。
1980年代のTBS金曜ドラマを、のみならず、他局のドラマをも、
この2シリーズが牽引していたと言いいたいくらいの突出ぶりでした。

泥臭く、現実により近づける役割を、最も端的に現した存在が、柳沢慎吾。
映画では、寅さんのような喜劇は別として、必ず美男美女の恋愛が描かれます。
わざわざお金を払って、醜男醜女の愛の囁きを観に行く人間は、多くないからです。
ここにテレビ劇と映画劇の本質的な違いが含まれているのですね。
テレビ劇は、より身近な対象を描くほど、見る者に訴えたりもするのです。
そうした可能性を、テレビは持っている。思い出して下さい。
あの『ありがとう』が怪物番組となったのだって、
息を呑むような美人とは言えない、ごく普通の水前寺清子だからこそだったでしょう。

他の二人、中井貴一や時任三郎にしても、見方にも拠るでしょうが、
絶世の二枚目というほどでもない。男前の部類ではありますがね。
こうした三人組が通うのが、国際工業大学。
どんな大学なんだって名前ですが(笑)、実際にも、
どんな大学なんだ?って言いたくなるのが増えた気がするなあ。
ともあれ、こんな大学の名前、三人とも有名大学生の前では言いたくない。
この辺の感覚が、大学のブランド化の進んだ当時をよく表したとも言われますが。

でも実際は、大昔からそういう事は有って、ホンキンカンという言葉も有ったんですよね。
ウチの親父は昭和30年にはに働いていたであろう、もちろん中卒ですが、
そんな当時でも、日本大学だと、「なんだポン大」かよと蔑まれたようです。
今の日大は、もうそういう状況はとっくに過去のものとなっておりましょうが。
代わりに今では、更に多くの軽んじられる大学が増えていそうな気はしますが。
とにかく、そんな、大きな声で言えない大学というコンプレックスもものかは、
この三人が、他の大学に負けないくらいのウキウキ大学生活を送ろうと、
お定まりのサークル活動を始めるんですな。下心だけで(笑)。

ワンダーフォーゲルってよく耳にしたけど、その正体がいまだによくわかりません。
登山部とは、また違うんでしょうからね。
ワンゲルワンゲル言ってるし、この劇中でもワンゲルとしか言わなかった気が。
そんなワンゲル部にやって来たのが、手塚理美、石原真理子、中島唱子の三人。
また上手い具合に、男と同じ、美2非1の構成なんだな。出来過ぎだろと(笑)。
基本的には、この6人の大学生活を、特に男側中心に描いたドラマでした。
もうね、美側の4人がくっつくのは既定路線で、特に目新しくないんですよ。
やはりこのドラマの幅を広げたのは、非側2人もきちんと掘り下げた事が大きい気がします。

先日、爆笑問題のラジオに柳沢慎吾が出ていて、このドラマの事を語ってましたがね。
まるで一人のファンのように(笑)。自分の出演場面を(笑)。
しかし、かなり鍛えられたとは言っておりました。
まだ、「良いドラマを作るには現場が楽しくなければ」なんて甘ったるい時代ではなかった。
現場が楽しむのも大事だろうけど、もっと優先させて考えるべき事、あるでしょ?
何度も何度も撮り直しを命じられ、本当に撤収時間ギリギリまで駄目出しされ、
最後の最後に言った一言でようやく、仕方無いからOKぐらいだったと言います。

それは視線の問題だったらしいですが、リハと違うと言われてどう気をつけても、
とうとう納得してもらえず、何が悪かったのかはわからない。
でも、昔はこんな現場が当たり前だったようですがね。
駆け出しの人間に、より深く演技を考えさせる洗礼のようなものだったのでしょうか。
そうした現場で鍛えられた面々は、みな、たしかに大きく成長しました。
中井貴一はサラブレッドなので別格として、時任三郎や柳沢慎吾は、
明らかにこのドラマから存在感が大きく増したわけです。

この複主劇は大ブームというほどの人気ではなかったものの、堅実に支持され、
彼らの成長を描き続ける続編が、しばらく制作されました。
二年後のパート2では、学校の名前を言いたくなかった連中が、
そうした学校を卒業した以上は自然な流れの、名前を言いたくない会社の社員に(笑)。
ワタクシなんぞは学歴高卒、会社は底辺労働と、コイツら以下の境遇なので、
そこら辺の感覚は同じなんですけどね(笑)。
だから実は、こういうドラマは、わざわざテレビで見たいとは思わなかったのです。

人間の基本は無い物ねだりで、こうしたドラマを芯から楽しめる人は、
実はけっこう、恵まれている方なのではないかと思いますよ。
後に見た感想で言えば、音楽の使い方が下手だなあ、五月蠅いなあ、というものでした。
あれじゃ良い脚本も良い音楽も、台無しなんじゃないかと思いましたがねえ。
ワタクシがまあまあサザン好きで、ついつい聞き込んじゃうってのはあるでしょうが、
それってやっぱり、ドラマ演出としては疑問符付けたいと、ワタクシは思うんですよね。
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この記事へ寄せられたコメント
ワンダーフォーゲル
直訳すれば、ドイツ語で「渡り鳥」のことです。
学生サークルとしての意味も、元々は単なる野外活動といったものでした。19世紀末にドイツの学生が始め、日本にも昭和10年に立教大学に登場しています。
その後ドイツではナチズムの台頭に伴って廃れたのですが、日本では戦後の高度経済成長により登山が大衆化、ハードトレーニングを伴う山岳部とは異なる、いわば登山同好会のような形で独自の発展を遂げます。
実は私の通っていた高校にもワンゲル部がありました。とはいえ、実際には競技登山のようなこともしていた体育会系の部活でしたが。
2014/03/05(水) 16:18:17 | URL | うみがめ
おお。詳しい解説ありがとうございました。
子供の頃からの些細ながら引っ掛かっていた、
魚の小骨のような謎が一つ解決しました。
ご飯の塊を口に入れて貰った気分です(笑)。
2014/03/05(水) 19:52:58 | URL | ごいんきょ
ふぞろいの林檎たちといえば、サザンの「いとしのエリー」をBGMに、高層ビル街を背景に赤いリンゴを放っているあの場面が真っ先に思い浮かぶんですよね。

でも実はパート1に関しては必ずしもあのBGMが「いとしのエリー」に限定されていた・・・というわけでもないんですよね。確か、1回「気分しだいで責めないで」が流れたこともあったような。「栞のテーマ」のときもたしかあったような覚えもあるんですが、その辺はちょっと記憶が曖昧です(汗)。

結果的にこの作品は平成の世まで4回に渡る連ドラがなされ、シラケ世代の三流大学の学生が、30代を迎えそれなりに社会に対して責任を負う立場へと成長していくまでを負った大河ドラマへと変貌を遂げていったわけですが、やはり良かったのは最初のパート1・2の頃まででしたかね。
メインキャストがどんどん有名になり、それによって演技が洗練されていくことで、このドラマが始まった際にまず大事な観点であったはずの”野暮ったさ”が失われていったと申しますか・・・。
柳沢慎吾もバラエティ色が強くなってどんどん演技がオーバーになっていきましたし(汗)、中井貴一は大作に多く主演として名を連ね続けてしまった余りに、演技上でのフットワークの軽さが失われていった感がありますしたし、石原真理子に至っては・・・もはや言わずもがなって感じでしたしね(汗)。
2014/03/13(木) 10:04:55 | URL | (ハンドル未記入)
例のOPは、名場面紹介の度に流されますしね。
サザンの歌は、のべつまくなしにかかるんですよ。
なんでそんなに、どこもかしこもサザンの歌ばかり流れてるんだって言いたくなるわけです(笑)。

ドラマが進むにつれ、役者たちがどんどん大きくなってしまって、
役から乖離していたというのは有るかもしれないですね。
でも慎吾ちゃんに関しては、おそらく普段からああなんだろうから(笑)、
ああいう人もいるんだと思うといいでしょうね。
2014/03/16(日) 09:02:28 | URL | ごいんきょ
ランクの高低
大学生活を送る若者たちの青春を描いたこの金曜ドラマは、特に現在(いま)の50・40代には結構ハマッてたドラマでしたね!

サザンの「いとしのエリー」を聴くと、この「ふぞろいの林檎たち」の主題歌だとすぐピンと来ます。

私の場合91年のパート3までは見てました。キャストの年齢も当時20・30代でまだ若くて釣り合ってた方で、共演者も全く変わらず昭和の延長的な雰囲気もあったし懐かしいTBSのロゴも共通して良かった方だけど、さすがに97年のパート4は時代の落差を感じて受け入れられなかったですよ!
2014/10/08(水) 23:59:22 | URL | TaMoKo
ああ、パート3くらいまでは普通に続編って感じだったかな。
やはり平成になって、日本の温度もかなり変わったという事ですよね。
2014/10/13(月) 11:00:36 | URL | ごいんきょ
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