私的 昭和テレビ大全集
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想い出づくり。 (1981)

想い出づくり。

只今、個人誌『昭和テレビ大全集レコード版』&『ライト版』発売を記念し、
TBS金曜夜の番組、及び、子供向バラエティ・教育番組を織り交ぜて特集しております。
今回は、森昌子の代表ドラマとなった、この番組です。


山口百恵の赤いシリーズDVDマガジン、1号は例によって安いので、
つい買ってしまったんですよね(笑)。
そんなわけで百恵は、歌にドラマに映画にと、くっきり一時代を築いた別格。
桜田淳子は歌の他、バラエティでも独自の存在感を発揮。ドラマ・舞台でも活躍。
残る一人の森昌子は、歌の上手さがデビュー当時に別格だったため、
本格的に歌だけにかけた展開で、その他の部分では二人よりも出遅れ気味。
唯一、物真似芸では芸能人の中で最高級の出来映えを見せていたものの、
色物視される事を怖れてか、いつしかそれも封印してしまう。

たしかに、自然と演歌路線へと移行したため、何十万枚と売れなくとも、
息長く愛される歌手としての安定感は有りましたけれどもね。
そんなわけで、芸能人としての華という部分では、
どうしても他の二人より控えめに見えていたものです。
そんな昌子が、決して多くはないドラマ経験の中で、
名作と言われるドラマと巡り会う事が出来たのも、強運というものでしょう。
なにしろ脚本が山田太一。
よほど気の違った演出でもしない限り、駄作にはならない事は保障されました。

これは、森昌子、古手川祐子、田中裕子の三人が主役という複主劇。
後に複主劇の手法を、それぞれ二人組以上にした水増し複主劇も闊歩しますが、
1回1時間も無いものを週一回で継続させていくという、
テレビドラマという表現形態では、実質、三組以上の動向を並行して描くのは、
焦点がボケてしまって、かなり難易度が高くなると思われます。
即ち、複主劇の基本は三人の並列描写であり、
この『想い出づくり。』は、複主劇の雛形、基本形だったと言えましょう。
そして山田太一は、二年後の同じ金曜ドラマ枠で、
『ふぞろいの林檎たち』という発展系複主劇もモノにするのでありました。

小田急ロマンスカーの乗務員を古手川祐子、OLを田中裕子、
工場勤務を森昌子がそれぞれ演じ、彼女らが結婚前の想い出づくりを思い立つという話。
そもそもこの三人は、街頭アンケートに答えて、次に指定された場所に来れば
ポケットカメラを貰えるという甘言に乗ってしまった同士。
いざその場所に行ってみると、格安海外旅行の会員になれという、
半ば強引な勧誘が待っていた訳ですが、三人ともそれなりにしっかりした女性なのに、
あんな見え透いた勧誘に応じてしまうというのが、少し違和感ありました。
でもまあ、それは良いとしましょう。実際にも、似たような人はいるわけですし。

その会場で最後に残った三人が、なにとはなしに意気投合し、
いつしか友情が芽生えていくという話でした。
あの辺の丹念な練り上げ方は、おそらく今のドラマには無いのではないかな。
もっと安直に話を進めていく気がします。
きっちりと時間を掛けて三人の絆を深めていく脚本も、
三人の演技も、たしかに、良い出来のドラマだったかと思います。
あの三人の演技、表情も、あの柳沢慎吾が泣いた鴨下信一演出の故でしょうか。
喜怒哀楽の中で、怒哀よりも喜楽の演技こそが難しいのではと思いますが、
ドラマにはむしろ不慣れな森昌子も、よく健闘していたと言えましょう。

結局、この三人の想い出づくりは済し崩しになってしまうのですが、
そんな事よりも楽しむべき現実が、三人に訪れるという終わり方でした。
この辺は、まだ1980年代初頭という時代性も有って、
まだまだ女性の人生展開には、多種多様なものを描きづらかったのでしょう。
タイトルの末尾に句点「。」がつくのにも、けっこう意味が有るのですね、勿論。
やはり、結婚前の想い出を作って、人生に一区切り付ける、という事でしょう。
ドラマに即して言えば、「想い出作りは終わり」という意味合いなんでしょうね。
著作表示の「TBS」など、他にも「。」を付けていたのは、
この句点の意味に気付いて、という事なのかもしれません。

という訳で、このドラマも名作扱いされているわけですし、
ワタクシも基本的には理解できなくもないのですが、
例によって音楽が五月蠅い。
これ、鴨下演出のせいなのでしょうか?
ザンフィル演奏のパンフルートは、とても味のある音色で、
たしかにきちんと用いられていれば、かなり効果を出したと思います。
ところがこれが、のべつまくなし、本当に最初から最後まで絶え間なく流れてるんですよ。
印象としてはね。

ドラマで使う音楽って、そんないい加減で良いものなんですかね。
そんな効果、高校生だって出来る気がしますが。
ふぞろいの林檎たちもこれも、その辺に言及したドラマ評論が、
少なくともワタクシがこれまで目にした限りでは一つも無いというのが異常に思えます。
昭和40年代までは、ドラマ評論の世界はもっと殺伐とすらしてましたが、
この頃になると一定評価を得た脚本家や演出家も結構な地位を形成していて、
大家の作品を持ち上げないという事は、逆に難易度が上がってしまった感が有ります。
もっと御用記者でない、真摯なドラマ評論が活発になっていれば、
先の目立ちたがり脚本家による騒動にも、もっと刮目すべき意見が、
専門誌などから出ていたのでしょうが。
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コメント
この記事へ寄せられたコメント
ザンフィルの笛の音。
こんにちは。
ドラマ好きの母の影響でよく見ていました。再放送もあったと思います。劇中、チアガールやってたのは森昌子だったかな。

長年記憶から遠ざかっていたザンフィルの笛の音、今脳裏に、キカイダーのギルの笛のごとくよみがえってきました。「想い出づくり。」「ふぞろいの林檎たち」以外にも、脚本家は違いますが「男女7人」だってやたらにシャカタクが流れていましたよね。ナレーション代わりにしては確かにくどかった。
2014/03/01(土) 10:58:00 | URL | あみーご長嶋
昌子さんの工場で、チアガール部が結成されたんですよね。
最初は冷ややかに見ていたんですが。

ギルの笛もたしかに耳に残ってますが、まさか同列で来るとは(笑)。

そうそう。男女七人も思い出してました。
あれは完全にタイアップでしょうね。
LPの全曲を使ってましたので。
ドラマ作りそのものよりも、商業的な理由が大手を振り始めた頃でした。
一般の人はともかく、ドラマ評論の世界でそうした事がまったく話題になってこなかったのは、
非常に怠慢だと思います。
2014/03/02(日) 06:21:13 | URL | ごいんきょ
森さんのウエディングドレス
殆ど観ていなかったにも関わらず、笛の音のテーマ曲は記憶にあります。

たまたま観ただけなのに今でも印象に残っている場面があります。
森昌子さんがウエディングドレス姿で結婚式場の控え室にいるところに、小手川祐子さん田中裕子さんがおめでとう!と入ってきます。
ところが森さんは結婚したくないと二人に話します。
(こんな土壇場でこんな事を言える勇気が凄いと思って観ていました。)
3人は考えて控え室に立て篭もったと思うのですが、花嫁なしで披露宴が進んでいたような気がします。

心に刻まれる場面でした。
なのに最後まで観なかったのは、ドラマは第1回から観るものと考えていたからかしら。
勿体無いことをしました。
2014/03/02(日) 13:54:28 | URL | モデラート
ま、あれだけ流れ続けていれば記憶には残りますよね。
それが狙いなんでしょうけど。
洗脳に近いものが有ると言うか(笑)、ワタクシの表現で言えば、
視聴者を愚弄していると思いますけどね。
ナメてたんでしょう、きっと、視聴者を。ドラマを。
そう考えると、義憤が湧いて仕方無いのですが(笑)。

そう。
一度は、関係を持った後のお座なりな態度に疑問を持って、
結婚をぶち壊す方に動くんですよね。
でも、ぶち壊された後の男の態度に好印象を持って、
結局は認めてしまうという。
他の二人も、やっつけみたいな形で結婚へと向かいます。
2014/03/05(水) 03:46:28 | URL | ごいんきょ
33年振りに見ました。
初めまして、春一番と申します。
私がこのドラマを見たのは19歳の時でした。
就職して親元を離れ、横浜で1人暮らしを始めた年でした。
連続ドラマを見て感動したのは、このドラマが初めてでした。
1970年代は、いわゆるホームドラマ的なのが多かったように思います。基本的にホームドラマは好きではありませんが、このドラマはホームドラマでもなくトレンディードラマでもない、群像ドラマといった感じがしてとても新鮮でした。残念ながら都合があり、最終回を見逃してしまいました。
9月にこのドラマのDVDがある事を知り、早速注文しました。
そして33年振りに見て気付いたんですが、ストーリーを殆ど忘れていました。
加藤健一がホテルで「一泊25,000円!」と言うシーンのみの、断片的な記憶しかありませんでした。
改めて見て感じた事は、佐藤慶と田中裕子親子の会話というかやりとりが、まるで漫才しているみたいで、何度見ても面白くて飽きない事でしょうか。
3人の主人公の父親母親役の、佐藤慶、児玉清、谷口香、前田武彦の4名の俳優は、既に亡くなられております。
33年という時間の長さを感じます。
このドラマが撮影された当時とは、街の様子もだいぶ変わってしまったんでしょうね。
2014/12/02(火) 13:38:42 | URL | 春一番
はじめまして。
ドラマを作っていた人々が読んだら、泣いて喜びそうなコメントを本当にありがとうございます。
やはり好きで見ていた人の話はいつ読んでも良いものです。
正に想い出づくりなドラマだったわけですね。

舞台ですが、どこでしたっけ。
都市部ですから、そう急激には変わってないとは思うのですけど。
2014/12/03(水) 05:51:13 | URL | ごいんきょ
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